サンセボルクロ Sansepolcro
標高330m。人口約16000人
トスカーナ州アレッツォ県。

概要
城壁に囲まれた旧市街に中世のの住居を今も残している。
城砦は保塁の台形の一角にある要塞と一緒に、15世紀トスカーナ公国時代にコジモ1世の命で建造されたもの。
ここはパスタ類の生産の盛んな地である。
しかし、この町の一番の誇りは、ルネサンスの偉大な画家、ピエロ・
デッラ・フランチェスカPiero della Francesca(1415年頃-92年)を生んだことである。
生家は現在彼の研究所になっている。そしてその向かいに「ピエロ・デッラ・フランチェスカの庭」と名づけられた公園があり、中央には彼の銅像が建っている。


サンセポルクロへのアクセス
ペルージャからは鉄道が便利
ペルージャからテルニを結ぶローカル鉄道の「ウンブリア鉄道」の沿線にある。
国鉄のペルージャ駅とは違う場所にある。
ウンブリア鉄道のペルージャ駅 S.Anna 。
ペルージャから1時間30分ほどでサンセポルクロに到着。1日12本の便がある
駅のそばに城壁がそびえる。近くの門(ポルタ)からかっすぐ進むと町の中心ベルタの塔の広場 Piazza Torre di Bertaに出る。

アレッツォからはバスが便利
SITA社のバスが、アレッツォとサンセポルクロを結んでいる(所要1時間、1-2時間おき)。便数が少ないので、時間があったら、アレッツォの市内見学をするといい。


旧市街
ても小さい町で、まっすぐに10分も歩いていたら町を突き抜けてしまう。
インフォメーションセンターはガリバルディ広場PiazzaGaribaldiにある。地
町の中心となるのは、ベルタの塔の広場Piazza Torre di Berta。
名前は1944年に空爆で破壊された中世の塔を記念するもの。
多くの古い館が広場に画している。それらの中で,立派なアーチと切石積みでできているピキ館 palazzo Pichiのマニエリスム風のファサードが目立つ。
町の中心となる大通りは、9月20日通り(ヴェンテジモ・セツテンプレ通り)Via XX Settembre。長い通りにほとんど間断なく館が続いているのが特徴。


見どころ
市立美術館 Museo Civico
もと市庁舎だった建物の12の部屋を占めている。
1992年,ピエロ・デツラ・フランチェスカの没後500年祭を機に改修されている。
入口はアッジュンティ通り)。
ここで、ピエロ・デラ・フランチェスカの数々のすばらしい作品を見ることができる。
彼の芸術が円熟の域に達したことを示す傑作「キリストの復活」、たいへん美しい多翼祭壇画「慈悲の聖母マリア」、「聖ジュリアーノ」、「聖ロドヴイーコ」などがある.
また、彼の弟子ルーカ・シ二ョレルリや、ボントルモ、バツサーノ、小パルマ、アンドレアおよびジョヴァンニ・デラ・ロッビア、そしてその他のサンセポルクロ出身の画家の作品も収められている。


ドウオーモ Duomo
11世紀前半のロマネスク・ゴシック様式の建物。14世紀に改修され,その後何度も修復されている。内部はゴシック様式の影響を受けたロマネスク様式の構造をもつ3廊式。


サン・フランチェスコ教会 San Francesco
サン・フランチェスコ広場にある13世紀末の教会。もとのままで残っているのは大きなパラ窓が上に付いた正面扉ロと鐘楼(修復されている)である。

ピエロ・デツラ・フランチェスカの家 Casa di Piero della Francesca
サン・フランチェスコ教会の鐘楼の前にある。
画家自身がその設計に加わったものと思われる。
ピエロ・デッラ・フランチェスカ財団の建築研究センターになっている。


メデイチ家の要塞 Fortezza Medicea
斜面での堅塁造りに関する16世紀の軍事建築の好例とされている。
設計者はフィレンツェの多くの邸宅を手がけた有名な建築家ジュリアーノ・ダ・サンガッロである。


周辺の見ところ
バデイア・テダルダBadia Tedalda
北へ27.5km 標高756m。19km地点が標高983mのヴイアマッジョ峠passo diViamaggio 
ティレ二ア海とアドリア海の分水嶺で眺望がよく,山々と渓谷が間断なく波打って続く。バデイア・テダルダは2つの中心区に分かれた別荘地。丘陵の上にある方が古い地区である。

カマルドリ Camaldoli
北西へ76km。11世紀に聖ロムアルドゥスによって創設されたカマルドリ修道会の発祥の地で、山と広大な森の真ん中にある。
13世紀に再建された修道院は、暗い谷の奥に建っている。その上の、峻厳で隔絶した景観の中に隠修士修道院 Eremoがある。
これは高い壁に囲まれた、まさに修道士の村である。聖ロムアルドゥスの僧房や18世紀の美しい教会がある。

ヴェルナ修道院 Convento della Verna
北西に36km。この修道院は、聖フランチェスコが聖痕(受難の際のキリストと同じ5カ所に現れる傷跡)を受けたその地に、1214年に建てられた。
サンタ・ マリア・デリ・アンジエリ礼拝堂、聖痕礼拝堂、聖フランチェスコのベッド、彼がその下で祈りをささげた、張り出した巨大な岩などを見ることができる。
バジリカ聖堂の中には、アンドレア・デラ・ロッピアのテラコッタがある。

ポッピ Poppi
北西に61km。この誇り高く風情のある町は、カゼンティーノ地方のかつての中心都市で、アルノ川の谷を見下ろしている。
町の頂には、グイデイ伯爵家の高くそびえる城館がある。
これは、ゴチック様式の館で、紋章で飾られた興味深い中庭を今も残している。
 
モンテルキ Monterchi
南に17km。墓地の礼拝堂には、ピエロ・デラ・フランチェスカの驚くべき瞑想力が生んだ作品、マドンナ・デル・パルト(出産の聖母マリア)が収められている。このフレスコ画は、壁面からはがされて、祭壇上部に置かれたものである。