キャンティ地方とキャンティワインの生産地は異なる

キャンティー地方はフィレンツェとシエナの間の丘陵地帯の総称である。
もともとキャンティワインはキャンティ地方で生産されていた。
1716年、トスカーナ公国はキャンティ地方を限定し、そこの畑で栽培されたブドウから醸造されるワインをキャンティワインとした。
ところが、1861年にイタリアが統一され、それまで守られていたキャンティワインのルールが守られなくなり、キャンティ地方周辺のトスカーナ地方中央部で生産されるワインにまでキャンティワインの名称が広がっていってしまった。品質もどんどん低下するワインがキャンティの名前で出回ってくるようになった。歴史と伝統あるキャンティワインを作りつづけてきた地方の生産者たちは、キャンティ・クラシコという名で区別するようにした。

したがって、キャンティ地方というのは、キャンティ・クラシコのワイン生産地となる。キャンティとキャンティ・クラシコは全く違うワインである。
キャンティ・クラシコはラベルに統一したシンボルマークを使っている。
丸い赤地に黒い雄鶏がデザインされている。黒い雄鶏を意味する「ガッロ ネーロ」という。
キャンティ地方にある主な街はフィレンツェとシエナを結ぶ国道222号線沿いやその周辺に位置する。
この222号線を「キャンティー街道 Strada in Chianti」と呼ばれている。
キャンティ地方の主な町には以下のものがある。
グレーヴェ Greve in Chianti
カスティリアーナ Castellina in Chianti
ラッダ Radda in Chianti
パンツァーノ Panzano in Chianti
ガイオーレ Gaiole in Chianti