シャトーヌフ・デュ・パプ Chateauneuf du Pape
地方=Provence-Alpes-Cote d'Azur
県=Vaucluse
人口=約2000人
観光案内所=Place du Portail
概要
アビニオンから北北西に約30km、
ローヌ河畔を一帯とするローヌ・ワインの地域の中の南端のコート・デュ・ローヌのワイン生産地として知られる。ローヌ地方のワインのなかでは最も歴史があり、かつ最も優れたワインといわれている。
シャトーヌフ・デユ・パブChateauneuf du Papeは「法王の新しい城」、アビニオンに教皇庁が移された時期、法王ヨハネス22世が居住するようになり、法王の第2の住居として、シャトーヌフに要塞を建設された。
そしてこの地にブドウ畑を遣らせたのがこの村の歴史の始まりで、ワイン醸造の発展に力を注いだ。
現在は、廃墟となっている城は、いまでもシャトーヌフのワイン畑を見下ろしている。
現在、人口2000人の大多数が、ワインに携わっている。
村の周辺には、小規模なワイナリーがたくさんある。
村には荒廃した城壁が、ブドウ畑の中に唐突に建つ。城は、その壁に沿って続く斜面を登った高台にある。
宗教戦争で焼かれたり、ドイツ軍に爆薬を仕掛けられたりで、建物のほとんどが破壊され、残るのはファサードの一部のみとなっている。
アクセス
旅行中の貴重な時間をセーブしたいのなら、アビニョンからタクシーがおすすめ。
特に往路におすすめ。復路は現地の観光局やレストランでタクシーを呼んでもらって、最寄り駅まで行くといい。ただし、出発前に、普通列車(鈍行)の時刻表をしっかり調べておく必要がある。
鉄道(SNCF)
SNCFではアヴィニョンからオランジュに向かう路線で、Sorgue-Châteauneuf du Papeという駅まで行く。
長距離列車では停車しない場合がある。
この駅からシャトーヌフの町までは10kmほど離れている。
駅に駅員がいれば、タクシーを呼んでもらう。休日などはまず駅員がいないと思うこと。
シャトーヌフまでは約30eur
復路はシャトーヌフの観光案内所office de tourismeでタクシーを呼んでもらい、駅まで帰る。
長距離バス
アヴィニョンと、オランジュのバスターミナルからシャトーヌフ行きのバスがあるが、一日一便程度。バスだけで日帰りは無理となる。約30分。
帰りはタクシーがおすすめだ。
ワイン「シャトーヌフ・デュ・パプ」
ローヌ河によって運ばれた小石が赤い粘土の上の地表を埋め尽くしている。土ではなく、こぶし大の丸い石がゴロゴロと転がる。
一見して乾燥した荒れた土地のように見えるが、ブドウにとっては通気性に富み、水はけの良い条件が揃っている。
土壌が痩せているおかげで、ブドウは栄養を求めてあちこちに根を張り、地中深くへと根を伸ばしていく。それにより、ブドウは雨水ではなくミネラル分を多く含んだ地下水を吸収するようになる。 また、この丸い小石は日中の太陽熱を蓄え、夜中でも暖かさを保つことができるような役割を果たすことでブドウの熟成に大きく役立ち、 素晴らしい凝縮感をもったブドウに育つ。
シャトーヌフ・デュ・パプで使用が認められているブドウ品種は13種。
フランスのA.O.C.での使用ブドウ品種数の中では最多を誇る。
グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、サンソー、クレレット、ヴァカレーズ、ブールブーラン、ルーサンヌ、クノワーズ、ミュスカルダン、ピックプール、ピカルダン、テレ・ノワール
ブドウの各品種が色合いや構成力、香り、フレッシュ感、熟成力においてそれぞれの特長をワインにもたらす。特にグルナッシュは、構成力と力強さ、長期熟成力に長けたブドウとしてシャトーヌフ・デュ・パプに欠かせない存在となっている。
多くの生産者は、これら13種のうち5、6種をブレンドまたはグルナッシュだけを使用してワインを造る。
市街地
小さな街で、どの道でも上に登っていけば、法王の城跡にたどり着くようになっている。周辺はブドウ畑がぐるりと取り囲む。
あちこちにデギエスタッションDegustation(試飲)の看板が目につく。
この町に来たら、レストランで食事して、地元のワインを味わっておくべきだ。
レベルの高いワインを産する地には、評判のビストロやレストランも集まっている。
人気があるワインで、ほとんど国内で消費されてしまうため、日本ではあまりたくさん売られていない。売られていても結構高価だ。