バニョル・ド・ロルヌ Bagnoles de L'Orne

概要

カーンCaenの南約70ヌkm、パリの西約200kmになる。
周囲を広大な森に囲まれたバニョル・ド・ロルヌは、フランス北西部唯一の温泉がわき出るため、療養の町として発展してきた。

産業革命により経済的にも文化的にも大きな繁栄の時代となった19世紀後半、パリでは博覧会が開かれエッフェル塔の建設やメトロの開通など、とても華やいだ時代だった。
交通機関の発達により バニョル・ド・ロルヌにも1881年鉄道が開通したため、パリから多くのブルジョワ階級の人々が温泉療法のためにこの町を訪れ、やがて彼らが建てた豪華な別荘を建てるようになり、美しい町並みが出来上がっていった。
ベルエポック地区と呼ばれる住宅街には、パリのブルジョワが建てた豪華な屋敷が建ち並び、フランスの華やかな時代が忍ばれる。この地区は1991年に景観的文化財保護区域に指定されている。
この町には昔ブルジョアが所有していたアンティークグッズが豊富にあったため、アンティークショップには優れたものが多い。

ここはキノコの名産地で、バニョル・ド・ロルヌを囲む森には1000種以上のキノコが採れるといわれている。
食材店には採れたての新鮮なキノコが並ぶ。銘菓キノコのケーキなどもある。
キノコをスペシャリテとして揃えるレストランでは、前菜やメインはもちろん、デザートにまでキノコを使った料理を味わうことができる。

森の脇では週2回マルシェが開かれる。
この地はまた洋ナシが名産で、洋ナシから発泡酒ポワレがある。
洋ナシを圧搾機に入れ、果汁を搾り、2か月間タンクで寝かせる。すると発酵が始まり、気泡が出てくる。さらにボトルに中でも発酵させる。シャンパンと同じだ。
フランスでも生産地はノルマンディのこの近くに限られている。

この町ではヘルスツーリズムに力を入れており、森のウオーキングツアーなどが盛んに行われている。約7000haの森の中には散歩道が整備されている。

アクセス

鉄道

パリ モンパルナス駅Paris Montparnasseから在来線グランヴィルGranville行きでブリユーズ駅Briouze下車、約2時間10分。
そこからバスで30分。

市街地

ベルエポック地区

ベルエポックとは、19世紀末から第一次世界大戦が勃発するまでの時代、
パリが華やかな雰囲気に包まれていた頃、ブルジョアたちの避暑地として栄えたこの町には豪華な邸宅が数多くたてられ、現在も良い状態で残されている。
バニョル・ド・ロルは1881年に鉄道が開通したことで始まった。
ノルマンディの森に囲まれた住宅地というコンセプトは温泉療養地であったこの町に、パリの裕福なブルジョア階級の人達を呼び寄せた。
きちんと整備された土地に造られているため、きれいにずらりと並ぶ。最盛期には53軒あった邸宅、リゾートらしい雰囲気に合った演出をするように、バルコにーや出窓、ひさしに至るまで厳格な規則に従って建てられた。
外壁を飾るブロックは色が限定されており、統一感を出している。

サクレクール教会

町の高台に建つ。
1934年に建てられたもの。
両側に水をイメージした美しいステンドグラスや当時流行のアールデコ調の装飾が施されている。
正面は十字架から階段を伝って水が流れるイメージのファサード、窓枠には水がわき出る様子がデザインされている。

グランドホテル

19世紀に建てられたもの。

カジノ湖

湖畔にカジノが建てられている。
この町には温泉にまつわる伝説がある。
愛馬の主人が終期を悟ったので馬を森に離したところ、すっかり若返って主人のもとに戻ってきた。主人が馬のあとに付いて森に入ると、そこには温泉がわき出ていたといわれている。地下からの源泉は23.4度でリウマチ静脈系疾患、婦人科系病気に効果があると期待されている。
フランスでは、温泉療法が医療行為として認められている。21日以上の治療に対して保険が認められているため、多くの人が湯治に訪れるという。

近郊

サンオルテール礼拝堂

森の散歩道を抜けたところにある。教会前庭にオルテールが建つ。
6世紀、この地でキリスト教の布教を伝えていた人物。
修道士サンオルテール。
彼は不思議な力で頭痛、リウマチ、全身不随の患者を治していたという。
以後、ここに来ると病気が治るという評判が広がり、現在でも多くの人々が祈りを捧げに訪れている。
また、礼拝堂の隣りの建物では、サンオルテールの像が入ったペンダントが販売されており、その場で神父さんが祈りをしてもらえる。

サン・セヌリ・ル・ジェレ Saint-Ceneri-le-Gerei

バニョル・デ・ロルヌから車で40分、
ノルマンディの山間にたたずむ村。フランスで最も美しい村の一つ。
サン・セリヌは7世紀、キリスト布教にやってきたイタリア人がこの地にたどり着いた時、飢えと渇きで倒れそうになっていた時、突然水がわき出て救われたという伝説が残っている。

サンセヌリ礼拝堂

こじんまりしている。
この場所にサンセヌリが寝泊まりしていた。
その後礼拝堂が建てられたという。
壁面にサンセヌルの像があり、待ち針が沢山刺さっている。
年内に伴侶が見つかるという伝説がある。
このサン・セヌリ・ル・ジェレは19世紀森や田園風景など自然風景を描く画家たちバルビゾン派の画家が多く移り住むようになってその名が知られるようになった。















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