ボーヌ Beaune
人口 約22,000人
概要
城壁に囲まれている町。1368年以後要塞化された。
ブルゴーニュ地方のワイン集積地として栄えた古都。
ブルゴーニュ公家がディジョンに移る前の居住地だった。
城壁に囲まれた円形の旧市街にはゴシックやルネサンス様式の館が並んでいて、散策に適している。車の進入が制限されていて、歩行者専用の道が多い。
また、ワインセラーも多く試飲もできる。
町の中心ノートルダム教会の隣には、ブルゴーニュワインの歴史や製法などが展示されるブルゴーニュワイン博物館がある。
アクセス
鉄道
パリ・リヨン駅 Gare de LyonからTGVで約1時間50分。
バス
ディジョンDijonから約1時間。
市街地
ラ・アール広場
毎土曜日朝市が開かれる。
ワインカーブ
ボーヌ市街地にはいたるところにワインカーブがある。
マルシェ・オ・ヴァン Marche aux Vins
7 Rue de L'Hotel Dieu
オスピス・ド・ボーヌのすぐ横。13世紀の修道院を改築したワインショップ。
ショップにはレギュラーからグラン・クリュまである。
このカーブでは試飲できるコースがある。
15種類のワインがワインテースティングもできる。入口受付でソムリエが使うテスターをもらう。地下のワインセラーには100年以上のワインもある。それぞれのワインを蝋燭の中で注いでもらう。ブルゴーニュの銘酒ばかりのカーブにはシャンベルタンをはじめ高価なワインが試飲できる。
ルイ・ジャド
150種類のワインを寝かせている。
見どころ
ブルゴーニュワインの取引所
マルス広場
オテル・デュ Hotel-Dieu(慈善病院)
「神の館」と称されている。
オスオイスボーヌ(慈善施療院) Hospices de Beaunne
カラフルな屋根がひときわ目を引く。赤や黄、緑色の瓦を組み合わせてモザイク模様を描いている。
幾何学的模様の瓦屋根は一枚一枚職人の手作業で焼かれたもので、同じ色でも微妙に色が違い、美しいグラデーションを生み出している。
百年戦争の終結になった当時のボーヌはとても貧困で病人や飢饉で苦しむ人々であふれていた。
そこでブルゴーニュ公国の宰相ニコラ・ロラン Nicolas Rolin(1376-1463)はギゴール・ド・サラン(1403-1470)Guigore de Salinsの懇請をうけ、資材をなげうって1443年施療院を建設、病気に苦しむ貧しい人々に無料で医療サービスを提供した。
「貧民たちの間」Salle des Povres。
医療の発展していなかった15世紀当時、ここは病気の人々を治療して直すというより、如何に安らかに最期を迎えるかということに重きを置いていた。
第2次世界大戦の時も病院として使われ、最後の患者を受け入れたのが1955年。500年以上にわたって使われた病院はフランスでも大変珍しい。
部屋の中には、木造のキリスト像も飾られ、病人が寝ながら祈りを捧げられるようにと、部屋の奥にはチャペルもあり、寝たきりの患者も礼拝できるようになっていた。
ここは療養の場であると同時に祈りの場所でもあった。
フランドル絵画の傑作「最後の審判」ロヒール・ファン・デル・ウェイデン作がある。キリスト像を中心に左側に天国、右側に地獄が描かれている。
戦災を逃れ、奇跡的に現在も良い状態で残っている。
この絵は命のともしびが消えようとする人々の目に、最後に映るものとして重要な役割を果たしてきた。
施療院にはニコラ・ロラン夫妻やボーヌの貴族・地主からブドウ畑が寄進された。
そこで作られたワインをオークションで販売、その収益で運営し患者の施療を行っている。
現在は博物館となっており、ブルゴーニュ地方独特のパターンが施された美しい屋根を眺めることができます。入場料7.50ユーロ(2015.10現在)払って中に入る価値は十分あります。(入場料にはオーディオガイドも含まれていて、日本語も選択できます。
毎年11月にネイ世の中庭でワインの慈善オークションが開かれ、今ではブルゴーニュ最大のワイン祭りとなっている。
併設されているショップではそんな歴史から生まれたワイン「オスピス・ド・ボーヌ」Hospices de Beauneを購入することが出来る。
www.hospices-de -Beaune.com
ワイン博物館 Musée du Vin de Bourgogne
ブルゴーニュ公の居城だった14~16世紀の建物が博物館となっている。
古代から現代に至るまでのワイン作りの歴史から、昔のブドウ圧搾機や樽、ワイン差しなど、ワインつくりに関するさまざまな道具を展示されている。
ちなみに、ブルゴーニュワインは
赤がピノノワール
白がシャルドネ
ボージョレーがガメイ
のブドウの木だけで生産される。
ノートルダム教会 Collegiale Basilique Notre-Dame
12世紀はじめに建てられた教会。のちに増改築されたものの、全体的にはロマネスク様式を色濃く残す。
聖母マリアの一生を19のシーンに描いた絹とウールのタピスリーが見もの。木製の黒いマリア像は町の守護神とされる。
ホテル
旧市街には小規模な古いホテルがあり、客室数も少ない。レストランは朝食建てのところが大部分で、周辺に食べに行く必要がある。
特に、選択するうえで注意しなければならないのは、エレベーターの有無だ。ないホテルが多く、ポーターなどいない。重いスーツケースを持ち歩く高齢者にはきつい。
一方、城壁の外側にはフランスのチェーンホテルの中級クラスのホテルがいくつもあり、エアコンも完備してあって快適だ。旧市街がそんなに大きくないので、ホテルからは多くが徒歩圏内になる。
ワインの取引が行われる秋には毎年取引にかかわるビジネスマンでホテルがとりにくくなる。
www.hospices-de-Beaune.com