概要 | |
ザールラント州州都 人口約20万人 -ザールランド州はザール河流域の炭鉱業と製鉄業を中心とする工業地帯で、その中心都市がザールブリュッケン。 -ザール川はフランスのヴォージュ山脈から北西に流れ、トリアーの少し手前でモーゼル川に合流する。 -第1次世界大戦後、ザールラントの町はフランスに譲渡されたが、1935年の国民投票でドイツに戻される。 第2次世界大戦では激しい戦災を被り、一時フランスの管轄下になったが、西ドイツに復帰してザールラントは西ドイツ連邦州の第11番目となり、1959年ザールプリユッケンがその州都となった。 -一時的とはいえ、フランス領になったため、街にはビストロが建ち並び、今もフランスの趣きを残しており、普段の会話にフランス語が混じり、国境を越えて多くの交流がある。 -伝統ある重工業の斜陽化にともなう打撃を受け、往年の活気はないが、ローマ時代に築かれた街は落ち着いた雰囲気があり、歴史的建物も少なくない。 -パリとフランクフルトの中間点に位置し、両都市を結ぶ幹線鉄道や高速道路が整備され、重要な都市として新たな発展を遂げている。 |
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アクセス | |
空路 フランスとドイツの主要都市から近いため鉄道による輸送が主流になっていて、航空便は主に国内やEU域内から不定期に格安航空会社便や週末のチャーター便が運航されている。 空港 ザールプリユッケン空港Saarbrucken Airport(コード:SCN) 市内の東約14kmに位置する。 鉄道 パリとフランクフルトを結ぶ高速鉄道が毎日4-6便運航されている。 この区間はドイツのiCEで運行されており、3時間50分で結んでいる。 中央駅Hauptbahnhofはザール川右岸、北西の端ににあり、街の中心の聖ヨハン・マルクトから徒歩約15分の距離にある。 -フランクフルト中央駅Frankfurt a/Mから特急ICEパリ行きで約2時間。1日4-6便。 直通の普通列車はICEとは別のルートとなり、2時間15分で結ばれている。ほぼ1時間間隔。 フランクフルト国際空港Frankfurt Flughafen Bhf.も経由するので、空路でドイツに入る場合には、普通列車の方が便利だ。。(約2時間) -トリアーTrierからは普通列車で約1時間20分。ほぼ1時間間隔。 -フランス・パリ東駅Paris Estからフランクフルト行き特急ICEで1時間50分。1日4-6便。 |
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見どころ | |
ザール川を挟んで2つの地区に分かれる。 (ザール川右岸)北側 聖ヨハン・マルクト St.Johanner Markt: 旧市街地の繁華街の中心の広場で周囲の小道には居酒屋、ビストロが並ぶ。 広場の中心にオベリスクと噴水Markt-brunnen(1759−1760)がある。 聖∃ハネス・バジリカ教会 Basilika St.Johann: 1754〜1758年の建築。 ザールラント博物館(Saarland−Museum/古いコレクションAlte Sammlung): カール通りKarIstrasse l番地(近代美術館Moderne Galerie向かい)。中世から近代初期までの、南西ドイツおよびロレーヌ地方の絵画と美術工芸品(リンプルク修道院からのルネサンス式戸棚に注目)を展示。 とくに陶磁器のコレクションが充実している。 近代美術館 Moderne Galerie: ザール河岸のビスマルク通りBismarckstrasseにある。 ザールラント博物館の分館になっているが少し離れている。 20世紀のドイツ印象派を中心とする絵画、彫刻、版画を収める。 聖アルヌアル参事会教会 Stiftskilche St.Arnual: 13世紀末から14世紀末に建築されたゴシック教会。 1746年、シュテンゲルの設計によるバロック式円蓋が付けられた。 市庁舎Rathaus: 20世紀前後のネオゴシック様式の赤レンガ造りの建物。 聖ヨハン・マルクトから北へ5分くらいのところにある。 ドイツ・フランス庭園 Deutsch-Franzosischer Garten: ヨーロッパ最大の水圧パイプオルガンなどがある、広さ50haの庭園。 国立劇場Staatstheater: ナチス時代の建物。 1938年にリヒヤルト・ワーグナーの「さまよえるオランダ人」で幕を開ける。 (ザール川左岸)南側 ザールブリユッケン城Saarbrucker Schloss: 増改築が繰り返されて、ルネサンスからバロックまでの建築様式があるが、2度にわたる戦争による傷痕は大きく、1982年から再建が始められている。 一部は現代的に作りかえられ、ガラスの塔が誕生している。 城の東側に続く城壁の上からは、ザール川と市街地が展望できる。 ザール歴史博物館 Histolisches Museum Saar: 城内の一部のある。 ザール川地方のナチズムをテーマにしている。 さらに、戦後およぴ1950年代からザールラントのドイツ復帰までの過程が扱われている。-ザールブリユッケン城広場 Schtossplatz: 黒い石を敷き詰めてできた中央分離帯が、城まで続いている。 1933年までに分かっているドイツ国内の全ユダヤ人墓地の名前を2146枚の石の裏側に彫り込み、墓碑銘を刻んだ面を下向きにして再びはめ込んだもので、目に見えない慰霊碑といわれている。 井戸屋形Brunnenhaus ザールブリユッケン城広場にあり、バロック様式の衛兵所を抽象化したものであるという。 先史・原始時代博物館 Museum fur Vor-und Fruhgeschichte: ザールブリユッケン城広場広場にある。 旧市庁舎Altes Rathaus: ザールブリユッケン城広場の西端にあり、時計塔とタマネギ形のドームがある、 上階には冒険博物館Abenteuermuseumが設けられている。 ザールブリユッケン城教会 Schtosskirche: 城山Am Schlossbergにある。 第2次世界大戦で崩壊したが、1956〜1958年に再建された。 26枚のステンドグラスが見どころ。 ルートヴィヒ広場 Ludwigsplatz: 北、南、西を4階建てマンサード屋根の8つの邸宅が囲んでいる。 ルートヴィヒ教会 Ludwigskirche: 平和教会Friedenskirche: ルートヴィヒ広場東側に近い。 |
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周辺の見どころ | |
シュロスペルク洞窟 Schlossberghohlem: 東20km. ヨーロッパ最大の多色砂岩洞窟。 11世紀から17世紀につくられた人造洞窟で、弾薬や食糧貯蔵所として用いられ、第2次世界大戦中は住民の防空壕となった。 数kmに及ぶ通路が12階にわたって延び、そのうち2kmを見学できる。 シュヴァルツェンアッカー・ローマ人博物鮨Romermuseum Schwarrzenacker): ホンブルクの東2km。 ローマ人集落だったところ。 |