ケルン

概要
ノルトライン・ヴェストファーレン州
人口102万人
-ノルトライン=ヴェストファーレン州最大の都市
-巨大な姿を見せる大聖堂で有名なケルン。その名前はローマ時代にローマ帝国がこの街を植民地(Colonia)にしていたことに由来する。
当時からの歴史的に貴重な遺産が数多く残る文化都市で毎年多くの観光客が訪れる。
中世には大司教が治めるヨーロッパ有数の大都市として栄えた。
-現在は産業と文化の街、ドイツ第4の都市として国を支えていて、「ケルンを見ずにドイツを語ることなかれ」ともいわれている。
-市内の最大の見どころは、大聖堂 Dom 。そのほかもライン川の左岸に集まっているので、徒歩で巡ることができる。
-ドーム南部にあるフィッシュマルクト界隈には、細長いグラスに注いで飲む名物ケルシュ・ビールのパブがあちこちに立ちならぶ。
このケルンの地ビールは、大聖堂を中心にして半径50km以内で醸造されなければならない決まりがあるので、ケルン以外で飲むことはできない。
またおしゃれなカフェも多い。
-ハノーファー同様にケルンも見本市が数多く開催される都市なので、見本市の開催期間中、ホテルの宿泊料金は高くなるので注意を。


アクセス
空路
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ヨーロッパの30以上の都市とつながっている。
首都がボンからベルリンへ移っても、首都機能の多くや国際機関が数多く存在するボンと多くの企業の中枢部門を抱えるケルンはビジネスマンの往来が多い。
日本との直通便はなく、最寄りの空港はフランクフルトFrankfurt(FRA)になるが、ボンやケルンとの距離が近すぎるため、接続は列車になる。
手荷物の取り扱いの煩わしさから、パリやロンドン経由で訪れることもある。
自分で車をレンタルする場合などはフランクフルト空港の方が便利だ。

空港

ケルン・ボン空港 Koln-Bonn International Airport(空港コード:CGN)
http://www.ajrport-cgn.de
空港と中心街のバスターミナルまでシャトルバスが15分ごとに運行されている(20分)

鉄道
ケルンは主要都市間の列車の発着駅であり、旅客の往来も多く、ドイツ国内主要都市とは特急ICE/ICが頻繁に運行されている。
ケルン中央駅はライン川(左岸)に接するように位置にあり、大聖堂と隣り合わせにある。
--フランクフルト中央駅Frankfurt a/MHbf.とフランクフルト空港駅Frankfurt a/M Flughafenを経由してケルン中央駅Koln Hbf.を特急ICEがほぼ1時間間隔で運行されている。
フランクフルト中央駅から1時間5分、空港駅からは50分(ノンストップ)。
フランクフルトからケルンの先のでデュッセルドルフDusseldorfへ行く特急はケルン中央駅には入ってこないので注意。ラインの対岸のケルン・メッセ駅経由となる。
-フランス・パリ北駅Paris Gare Nordとケルン中央駅間には1日5便の特急TGV-Thalysが運行されている。3時間55分。
-近郊の都市へは各方面へ1時間に数本道行されている。
ボンBonn行き(40分)、
デュッセルドルフDusseldorf行き(30分)
アーへンAachen行き(1時間)

長距離バス:
ヨーロッパ内の主要都市とをほぼ毎日結んでいる。
最も安く移動できる手段だ。パリParisまで45ユーロで8時間など、
ユーロラインズ Eurolines
http://www.eurolines.com
バスターミナルBusbahnhofは、中央駅の裏手、ブレスラウ広場Breslauer Platzにある。

車・道路事情
ケルンは6方面からのアウトバーンが集中するハブとなっている。
ケルン環状道路Kolner Ringが、Al、A3、A4、A57、A555、A559号線につながっている。
このため、終日環状線が交通渋滞を起こしているので、空港や駅へのアクセスにはリスクを伴うので、一般道路の方が確実な場合が多い。
また、ケルン市内へは居住者以外の車の乗り入れが極端に制限されていて、中心地へはほとんど乗り入れが不可能に近い。
ホテルの宿泊者はホテルの駐車場をしっかり確かめておく必要がある。

交通機関
バス、トラム、地下鉄(Uバーン)、近郊列車(Sバーン)があり、ボンと共通の公共交通機関が運営している。
少し長い滞在の旅行者には、℃の交通機関にも24時間の乗り放題チケットが便利だ。
5人まで同一行動するのグループパス(ミニグルッペンカルテノMinigruppenkarte)もある。駅やトラムの停留所にあるオレンジ色券売機で購入できる。乗車のたびに改札や車内でスタンプマシンに刺して押印。


市街地
ライン川の河畔にあるケルン中央駅に隣りあう街の象徴の大聖堂が町の中心で、大聖堂の南には、ライン川と平行に走る歩行者専用のホーエ通りHohe Strasseが一番の繁華街だ。この一帯が旧市街である。
また、lkm西のツュルピヒ地区Zulpicher Viertelは学生に人気のエリアで、この周辺はレストランやバーが軒を連ね、活気にあふれている。


見どころ
大聖堂 Dom
ドイツ最大のゴシック様式の聖堂で、ケルンのシンボル的存在。
1880年の完成までに632年もの年月を費やした。
見る者を圧倒する外観は、塔の高さ157m、聖堂の幅86m、全長は144mにも達する。
所蔵品も多く、ドーム内宝物殿には宗教行事に使用した品物や金細工、象牙細工などが展示される。
中でも1200年頃の三賢人の聖遺物入れ、バイエルン窓とよばれる鮮やかなステンドグラス、そしてシュテファン・ロホナー作『三賢人礼拝』の絵は必見。
塔内は、509段の階段を使って地上95mの展望台に上ることができる。
市内からライン地方一帯の景色が眺められる。

ローマ・ゲルマン博物館 Romisch-Germanisches Museum:
ローマ時代の出土品を集めた博物館。
ローマ時代の家庭生活の様子をしのばせる遊び、焼き物作り、針仕事、鍵、墓石・聖石などの資料が展示されている。

ヴァルラフ=リヒヤルツ博物館/ルートヴィヒ博物館
Walllaf-Richartz-Museum/Museum Ludwig

ライン河畔の新しい二重博物館。約60の広々とした展示室を持つ。
-ルートヴィヒ美術館
古典的20世紀芸術の幅広いジャンルの作品のコレクション。
ここにはヨーロッパのポストモダンアート発祥の地と考えられていて、アメリカのポップアートで知られるアンディ・ウォーホルなどの20世紀の作品が展示されている。
2階のグラフィック・アート・コレクションには11世紀末から20世紀初頭までのレオナルド・タ・ヴインチ、ラフアエルロ、デューラー、レンブラントなどの素描、細密画、水彩画、版画の展示がある。

-ヴァルラフ=リヒセルツ博物館
14〜19世紀のドイツ、イタリア、フランドル、オランダ、フランスの画家たちの作品を展示。
2001年にスイスのコレクター、ジエラール・コルブーから寄贈された印象派や後期印象派の多くの名画が加わり展示スペースが大幅に拡張された。
フィルハーモニーのほか、アグファ写真博物館、図書館、ケルン・フイルム・ライブラリーなど、一連の文化施設もここに収容されている

旧市庁舎 Altes Rathaus:
14世紀にユダヤ人街に建てられたゴシック様式の建物。
15世紀初頭には高さ61m、12時と17時に時を告げる仕掛け時計市庁舎塔Rathausturmが完成。
さらに1569−73年にはフランドル・ルネサンス様式の園亭Laubeが増設された。
市庁舎前の広場には、ガラスでできたピラミッドの下に、12世紀のユダヤの沐浴場(ミクバ)がある。

聖コルンバ教会 St.Kolumba:
1950年、コットフリート・べ一ムGottfried Bohmによって、後期ゴシック様式の教区教会廃墟に建てられたモダンな教会。

聖ベーター教会 St.Peter:
1525年頃建てられた後期ゴシック教会。
ルーベンスの最晩年の作品の一つ「聖ペテロ(ベーター)の断りKreuzigung Petri」(1639年)がある。
ルーベンスはこの聖ベーター小教区で育ち、彼の父は同教会に埋葬されている。

聖母マリア被昇天教会 St.Maia Himmelfahrt:
1618〜78年に喧噪されたもので、反宗教改革精神が色濃く反映しているといわれる。

聖母戴冠教会 St.Maria Konigin:
1954年に完成した赤い硬質煉瓦を垂直に並べたモダンな教会。

エル・デー・ハウス El-De Haus
創設者レオポルド・ダーメンからその名が付いている。
ケルンにおけるナチス時代の歴史を再現する博物館。
1935年、ゲシュタポはこの建物に指令本部を置き、地下の監獄で、反対勢力やユダヤ人への拷問、処刑を行っていた。
監獄の壁に刻まれた文字は、収容者の耐え難い苦しみや悲痛な叫びを克明に表している。

東アジア芸術美術館 Museum fur Ostasiatische Kunst:
美術館の建物は日本人の前川国男、日本式中庭は流政之の設計による。
石器時代から20世紀までの中国、日本、朝鮮の美術品を収蔵。
最も古い品は中国のブロンズ製儀式の器(紀元前12〜11世紀)である。
中国や日本の仏教芸術に重点が置かれている。
Universitatsstrasse 100。

ラウテンシュトラウホ・ヨースト民族博物館 Rautenstrau-Joest-Museum-fur Volkerkunde:
8〜16世紀のタイ・クメールの芸術品、ペルーの精巧な細工の金の杯や壷などの金属細工品(11-15世紀)を展示。

ケルン市立博物館 Kolnisches Stadtmuseum:
中世の武器庫だった建物。
度量衝器、貨幣のコレクション、ライン川の船やいかだの模型などがある。

実用芸術博物館 Museum fur Angewandte Kunst
:中世から現在に至るまでの工業デザインの発展の歴史を展示・紹介する。

ドイツ・スポーツ&オリンピック博物館 Deuutsches Sport & Olympia Museum
かつて倉庫だったところで、チョコレート博物館に近い。

司教区民博物館 Diozesanmuseum

イムホフ・シュトルヴエルク博物館 lmhoff Stollwerck Museum
ライナウ港Rheinauhafenにある通称、チョコレート博物館Schokoladen Museum
入口には高さ3mのチョコレート噴水がある。
チョコレートの誕生と文化史に関する資料があり、深い知識を得ることができる。


ケルンの12のロマネスク教会
ケルンは10世紀半ば〜13世紀半ばのロマネスク時代は豊かな時代であった。
旧市街にはこの時代,1150年から1250年に建てられた12のロマネスク様式の教会が残っている。そのうち一つは現在、博物館として使われている。
第2次世界大戦では建物が被った甚大な被害も、現在までにほぼ完全に修復された。
-カピトール丘の聖母マリア教会 St.Malia im Kapitol:
ローマ時代のカピトール丘寺院の土台の上に1050年に建てられた

聖マルティン大教会 Gross St.Martin:
司教座聖堂参事会に端を発する教会。
ローマ時代の古い港の前の、かつてのライン川の島であった場所に建てられた。
中央の高さ84mの塔は、ケルンのライン河岸風景で最も目を引くポイントの一つである。教会前の広場の角には、ケルンで有名な人物テュネスとシェールTunnes und Schalの等身大のブロンズ像が立っている。

聖ゲーレオン教会 St.Gereon:
ローマ時代の墓地跡に、4世紀、ケルンの守護聖人聖ゲーレオンおよびテーベ地域におけるデイオクレティアヌス帝によるキリスト教迫害の犠牲者を記念する、キリスト教の聖ゲーレオン墓地教会GrabkirchefしJrden hl.Gereonが建てられた。

-聖ウルスラ教会 St.Ursula:
キリスト教殉教者の聖ウルズラの殉教伝説Martyrerlegende der hl.Ursulaを描いたタブローがある。
聖ウルズラは英国の王女で、5世紀に10人の処女とともにフン族によって殺されたという。
聖ウルズラと10人の処女たちの遺骸が発見されたといわれる古代ローマの墓地の上に建っている。
17世紀のバロック様式の黄金の部屋Goldene Kammerは、彼女たちの聖遺物を残すために建てられたもの。

聖母マリア・リース教会 St.Maria Lyskirchen:
円天井の柱廊式パジリカ教会堂(1220年頃)で、ライナウ港Rheinauhafen入口の向かいに建つ。
両方の塔は未完のままである。

聖アポステル教会 St.Aposteln:
13世紀にできた後陣には両側を八角形の二つの塔で挟まれ、中央方形部の上には、明かり
り塔つきの八角形の丸屋根塔がそびえている。

聖パンタレーオン教会St.Pantaleon:
10世紀オットー皇帝時代の建築。
地下聖堂には、ケルンのオットー大帝の弟ブルーノ大司教およびオットー2世の妃テオファノ皇后の墓(10世紀)がある。

聖ゲオルク教会 St.Georg:
11世紀に建てられた平屋根の柱廊式バジリカ教会堂。
厚さ5mの壁が西内陣を取り囲んでいる。

聖セヴェリヌス教会 St.Severin:
古代ローマ・フランクの墓地跡に建てられた教会。

聖アンドレーアス教会 St.Andreas:
先端が兜形をした八角形の中央塔と、張り出した西正面を持つ後期ロマネスク教会。

聖クーニベルト教会St.Kuniben:
ケルン最後のロマネスク教会で、ケルン大聖堂の建築開始の1年前1247年に完成した。

聖セシリア教会Cacilienkirche
シュニュツトゲン美術館 Schnutgen Museumとなっており、中世を中心に6〜19世紀の教会芸術を収集。

周辺の見どころ
フリュールBruhl
ケルンの南13kmに位置する人口4万人の町。
-アウクストウスフルク城舘Schloss Augustusburg in Bruhl):
この城館は、1725〜1768年、ケルン大司教でもあったクレーメンス・アウクスト選帝侯のために、建てられたもの。
宮殿を取り囲むように作られている付属庭園Schlossgartenは、1727/28年、フランスの造園家ドミニク・ジラールの作。
宮殿に隣接するところに、かつてクレメンス・アウグストの別宅として使用された小さな宮殿、ファルケンルスト城Schloss Falkenlustがある。
この2つの城間は1984年に世界文化遺産に登録されている。
いずれも毎月曜日と、12〜1月休館
-ファンタジアラントPhantasialand
ヨーロッパ最古のテーマパークで2002年には35周年を迎えている。

アルテンベルクのドーム Altenberger Dom:
ケルンの北東20km。
ベルク地方の谷にある,かつてのシト一会修道院付属教会であるアルテンベルク教会。
カトリックとプロテスタント両宗派の礼拝が、交替に行われる諸宗派共同教会。
西玄関上に巨大な多色ガラス窓Buntglasfenster(ステンドグラス、18×8m)が見どころ。

ツォンス Zons:
ケルンの北24km。
14世紀の税関要塞Zollfestungのある、ライン河畔の美しい小さな町。