(バイエルン州)
-ミュンヘンの南東約90km。
キーム湖は町から1km足らず。
***キーム湖 Chiemsee
-「バイエルンの海」ともいわれるキーム湖(キームゼー)は、バイエルン州最大の湖。
-南にはバイエルン・アルプスBaverische Alpenの山稜がくっきりと浮かび上がるそのふもとに、葦に覆われた穏やかな岸辺に囲まれ、82kuの静かな湖面が広がっている。
-プリエンからは湖の西岸のストック港に着く。
-湖のストック港寄りに3つの島がある。
--ヘレンキームゼー城のある男島 Herreninsel
--修道院がある女島(フラウエンインゼル)Fraueninse
--小さな無人の草の島(クラウトインゼル)Krautinsel。
-この近くには、もう一つの湖ベルナウ・アム・キームゼーBemau am Chiemseeが
プリエン・アム・キームゼーPrien am Cheimseeの町と約5km南にある。
夏になるとどちらも水上スポーツを楽しむ人々でにぎわう。
ミュンヘン中央駅からザルツブルグ行きでPrien am Chiemsee下車、特急ICで約50分、普通列車で1時間。ほぼ20分ごと。
駅のホームに隣接してキーム湖畔のストックStockの港までキームゼー鉄道chiemseebahn(1887年)の世界最初の蒸気機関車が運行されている。所要時間10分。ほぼ1時間ごと。(5〜9月)
5〜9月以外は駅前からバスがある。
-ミュンヘンから定期観光バスで行くこともできる。
フェリー
船は湖を1時間ごとにまわり、ヘレン島、フラウエン島、ゼーブリュツクSeebruck、キーミングの順にに停泊する。
スケジュールは季節ごとに変わる。
湖全体を回って全部の停泊所に立ち寄る。
ほとんどの観光客は、ヘレン島で下船して城の見学を終わるとストックの港へ戻るフェリーを利用するが、次の島へ立ち寄ることもできる。
ヘレンキームゼー城 Schloss Herrenchiemsee
-1873年、若きバイエルン王ルートヴィヒ2世は、伐採からこの島を守るために島ごとそっくり買い上げた。
-1867年にパリ万国博の時にパリを訪れた際、ヴェルサイユを訪問して以来、太陽王ルイ14世に対するルートヴイヒの崇敬の念は、それまで以上に高まっていった。
-王は、買い上げたキームゼーにヴェルサイユ宮殿をモデルにしてより大きく豪華な宮殿の設計・建設を命じた。
-ルートヴィヒは、ノイシュヴァンシュタイン城とリンダーホーフ城の建設費を合わせた以上の金額を、つぎ込んでいた。
-1878年に着工された建築工事は、1886年まで長引いた。
この時点ですでに2000万マルクがつぎ込まれ、王の手許金は底をついてしまっていた。
彼の死の1年前、1885年に資金が底をついたとき、50部屋が未完のまま残された。
-王はこの宮殿に1週間住んだだけで1886年に死去し、それとともに彼の夢には終止符が打たれた。
-それまでに完成した部屋は、互いに豪華さを競い合うかのように作られている。
-戦後、ドイツの復興が進んでこの白の修復も行われるようになり、現在のように見学できるようになった
-見学は専任のガイドに伴って英語、ドイツ語、フランス語などに分かれて、パレードの間Paradezimmer、長さ100mの鏡の間Spiegelgalerleなど、豪奢を極めた部屋を巡る。
-宮殿の前にフランス式庭園には中央にラトーナ(レトー)の噴水Latonabrunnenがそびえ立つ。
-湖畔の船着場から、船で約15分でこの城が建つヘレンインゼル島Herreninselに到着する。
桟橋から森の遊歩道を20分ほど歩いていく。
観光馬車で行くこともできる。
桟橋近くにはレストランもある。
フラウエンインゼル(女島)(Fraueninsel
-ヘレンインゼルより小さな島で、漁村と8世紀後半に創立されたドイツ最古の尼僧院の一つ、ベネディクト会のフラウエンキームゼー修道院Kloster
Frauenchiemseeがある。
-13世紀に建てられたその聖堂は、15世紀にゴシック様式に改造された。
-分かれて立っている鐘塔Campanileの上にタマネギ型のドーム屋根がついている。
-教会の向かい側には、860年に建てられたカロリング朝時代の修道院入口の門Carolingian Torhalleがある。
中世の美術品・彫刻と、季節ごとに変わる18〜20世紀のこの地方の絵画コレクションを展示してある。(5〜10月11:00〜18:00のみ)