ドイツ語読みは「ハノーファー」。文章中は「ハノーファー」としている。 | |
概要 | |
ニーダーザクセン州々都 人口約55万人 世界最大級の国際見本市を開催する都市として有名。 ハノーファー国際見本市会場では、年間約60もの見本市や展示会が開催されている。 代表的な産業技術見本市「ハノーファー・メッセ」を含む世界最大級の国際見本市がそろっている。 西暦2000年にはハノーファー万博があり、よりその名を世界に知らしめることとなった。 戦後は緑の多い近代的な都市として発展し、産業、商業、工科総合大学のある学術研究都市としても名高い。 交通の便がよく、エリカ街道やメルヘン街道のゲートウェイ都市となっている。 美術館や博物館が数多くあり、街中もポップな現代アートのオブジェで飾られており、街全体が展示会場のような楽しさを感じさせられる。 シュプレンゲル美術館 Sprengel Miseum は、ダリやクレーなど、20世紀の現代アートを築いてきた巨匠の作品を展示。特にピカソのコレクションは世界最大で、この美術館の目玉となっている。ケストナー博物館 Kestner Museum は、古代エジプトから現代までの人類の歴史が展示されている博物館。ローマ時代のコインやメダルのコレクションは膨大で、世界的に評価されている。 市内で最大の見どころとなるのは、世界的に有名なヘレンハウゼン王宮庭園 Groser Garten Herrenhausen だ。また、14世紀に建てられた煉瓦造りのマルクト教会 Marktkirche は、ゴシック様式の外観と周辺を囲む木造の家々とのバランスが美しい。この教会界隈は小さな旧市街で、市内観光散策用に赤い線が道路に引いてある。 ショッピングなら、1987年創業のショッピング・モール、*ギャラリー・ルイーゼ*へ。約30のブティックが軒を連ね、ハノーファーで一番と言われるくらい、お洒落な店が揃っている。 市内観光をする際には、ハノーファー・カードが便利。 このカードは、市内全域の公共交通機関および空港バスが無料になる。他にも、ヘレンハウゼン王宮庭園の大庭園、シュプレンゲル美術館などの観光スポットなどが入場無料になるなどの特典付き。 市内には数多くのホテルがあるが、見本市開催期間中は常に満室状態になる。 近郊も含め、ペンションも確保できない状態になる。 |
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アクセス | |
空路: 戦後に軍用から民間になった空港だが、ドイツの旺盛な経済活動で、利用者も増加し、現在は欧州内だけでなく、ロシア、アフリカ、アメリカなどの大陸間の便も就航している。 欧州内ではルフトハンザ・ドイツ航空Lufthansa、エアー・ベルリンAir Berlinや英国航空BritishAirwaysなどが就航しているが、夏季と冬季では便数の増減があり、また週末は非常に少なくなる。 国際見本市の開催期間には輸送力が大幅に増える。 空港 ハノーファ一・ランゲンハーゲン空港 Hannover-Langenhagen Airport(コード:HAJ) ハノーファー市内中心部から北11Kmに位置する。 3本の滑走路、3つのターミナル(A,B,C)があり、Sバーンの空港地下駅もできている。 市内とは、Sバーン(#5)がハノーファー中央駅間を18分で結んでいる、30分間隔で運行されている。 鉄道 ハノーファーは鉄道ルート上ドイツの東西南北の主要都市の中心地でもある。 日本から直行する場合には、空港駅に直結しているフランクフルトが便利だ。 フランクフルト空港駅Frankfurt a/M FlughafenからハンブルグHamburg行き特急ICEで2時間35分、1時間間隔。 フランクフルト中央駅Frankfurt a/M Hbf.からは2時間20分となる。 ハンブルグ中央駅 Hamburg Hbf.からは1時間25分、ハンブルグ・アルトナ駅 Hamburg Altonaからは1時間35分となる。 ベルリン中央駅からは特急ICEで1時間50分、始発のベルリン東駅からは2時間。ほぼ1時間間隔。 |
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交通機関 | |
バスとトラム(Uバーン)が運行されている。 トラムは市内中心地では地下に入る。 料金はバスとトラムが一元管理され、市内、周辺地区Umland、地方Regionの3ゾーンに分かれている。 1日乗車券もある。 見本市会場へは、Uバーン(地下鉄)の8番で17分。 |
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市街地 | |
ハノーファーの主な見どころは中心地に集まっており、多くは歩いて巡ることができる。 中心地の歩道には赤い線(赤い糸Roter Faden)が引かれている。これをたどっていくと、市内の主な見どころをめぐる4.2kmの範囲内にある。 中央駅からクレプケ広場のすぐ南までにはニキ・ド・サンファル・プロムナードNiki de Sainte Phane Promenadeという地下のショッピング・モールが延びている。 |
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見本市 | |
最初の輸出市は1947年8月、第二次世界大戦で瓦礫の山となった市街地だったが、その中でいち早く復興にはドイツ製品を輸出することだとして見本市の開催を市長は市民に向けて訴えた。 ホテルはみな破壊されていたので、、国外からのバイヤーにべッドを提供してくれるように呼びかけた。市民はこれに従い、自分たちの家のベッドをホテルとして提供し協力した。市民は当時貴重な外貨を得たことで喜び、これが伝統になって、以後次々と拡大して欧州のどこよりも大きな見本市を開催することとなった。 伝統ある大きな見本市としては、 3月の電気通信見本市セビットCeBit。 4月後半に開催されるハノーファー国際見本市。 見本市会場Messegelandeは、ハノーファー市内の南西部に位置する。 市内からの交通機関は、トラムtram(∪バーン∪-Bahnの8番線 見本市期間中は18番で行ける. 都市間長距離特急ICEやICも見本市開催期間中は臨時停車する便もある。 タクシーは期間中多忙を極め、なかなかキャッチできないので過度に当てにしてはいけない。 宿泊施設はホテルばかりか民宿も2年以上前でも取れない。近郊でも近いところは満室になる。 ヨーロッパにはこういう大きなイベント期間中のホテルを専門に取扱うブローカーがいて、出展企業などはそこから長期間分を購入している。 ヒルデスハイムHildesheim、ツェレCelle、またはホテルの多いハンブルグがおすすめ。 その辺でも、宿泊料金は期間中とんでもなく跳ね上がる。 開催期間中、空港、中央駅や市内中心部には見本市会場の案内パビリオンが設けられ対応している。 |
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市内の見どころ | |
新市庁舎Neues Rathaus エギディエン門広場 Aegidientorplatz。 1901-1913年に建てられた、ハノーファーのシンボル。 戦争によって倒壊しながらも改築が繰り返され、現在の市庁舎は4度目の改築によるもの。 ホールには市の4つの大型模型がある。1939年と1945年の模型が第二次世界大戦による戦災荒廃の前後を生々しく伝えている。 緑のドームの中にある傾斜したエレベーターで上れる丸屋根100mの展望台からは市街を一望できる。 なお、旧市庁舎Altes Rathausはマルクト広場に面して建つ。 ヘレンハウゼン王宮庭園 Groser Garten Herrenhausen 市の北西約4kmにある。 ベルサイユVersaillesの庭園に模して造られたもの。 全部で4つの庭園からなる、美しい王宮庭園。 中でも一番大きな「グローサーガルテン」は、ドイツ初期バロック庭園の姿を今に伝える庭園として有名。 幾何学的にデザインされた園内には、ヨーロッパで最も高い82mもある大噴水や大温室、庭園劇場などもあり、散歩に最適。 ヘンデルゆかりの地だけあって、夏季には音楽、演劇、花火が行われ、世界各地から見物人がやってくる。 山の庭園「ベルクガルテンBerggarten」には、ハノーファー王朝の霊廟、植物園がある。ゲオルゲンガルテンGeorgengartenはジョージア朝庭園。 もう一つはヴェルフェンガルテンWelfengarten。 ヘレンハウゼン王宮博物館FurstenhausHerrenhausen-Museumでは、英国王室ハノーファー王室との関係を知ることができる。 中央駅前からトラム(Uバーン)4番か5番。 ケストナ一博物館 Kestner Museum: 若き日のゲーテの恋人、シヤルロッテ・ケストナー(ブフ)の息子のアウクスト・ケストナーAugust Kestnerによって創設された。 地階の貨幣展示室には、古銭学(イスラム以前の、ローマ)のほか,16世紀から20世紀にいたるヨーロッパ諸国やイランの硬貨の豊富なコレクション、古代エジプトとローマ時代の遺物などがあり、5000年の歴史をカバーしている。 マルクト教会 Marktkirche: 旧市街の中心、マーケット広場にある赤レンガで14世紀ゴシック様式の教会。 四つの切妻をもつ塔が建っており、その先端は尖った小鐘楼になっている。 内陣のステンドグラス(14世紀)、ブロンズの洗礼盤(15世紀)が見どころ。 戦争記念碑 War Memorials: 鉄製十字型の碑には、「我らが死者のための記念碑Memorial to Our Dead」とある。 中に姉妹都市の広島から送られた平和の鐘がある。 毎年8月6日の8:15、広島に原爆が投下された時刻に、双方の市の代表団がここで鐘を鳴らす。 ワーテルロー記念碑Waterloo Memorial 旧市街の南、新市庁舎の西にあって、ワーテルローで戦ったドイツ軍を記念したもの。翼のついた天使のある。 歴史博物館 Historisches Museum: ハノーファー王家記念の品々や馬具と馬車のコレクションが展示されている ニ一夕ーザクセン州博物館 Niedersachsisches Landesmuseum: 12世紀から20世紀にいたるまでのヨーロッパ各国の著名な画家の作品を展示している。 シュプレンゲル美術館 Sprengel Museum: 20世紀芸術のコレクション。 コレクションの中心はニキ・ド・サンファルの300点の作品で、その中から選ばれたものが常設展示されている。シャガール、ピカソの作品もある。 中央駅前からバス131番でシュプレンゲル美術館かマッシュ湖で下車 http://www.sprengel-museum.de マッシュ湖 Maschsee ナチス初期の指導による公共事業計画で失業者によって作られた人工湖。 市民の憩いの場となっている。 30分歩けば行けるが、バス131番もある。 |
近郊の見どころ | |
マリエンブルク城 Schlos Marienburg: ハノーファー王国の最後の王ゲオルク5世が建てた夏の宮殿は、市の南側へ約30km、山の上にある。 城内は一部が博物館として公開されている。 豪華な内装や絵画、武器などが展示される。 |