キール

概要
(シュレースヴイヒ・ホルシュタイン州)
人口:約250000人
-19世紀にドイツ帝国は強大な海軍を整備し始めた。
-1895年のキール運河開通後、キールには造船所や海軍基地が造られて発展した活気あふれる港町となっていった。
-この99kmのノルトオスツェー運河 Nord-Ostsee-Kanalの水路のおかげで、北海からバルト海へはデンマーク沿岸から回り込まずに移動できるようになった。
-今日、この運河では年間約6万隻の船が行き来して、世界一交通量の多い人工水路となっている。
貨物船だけでなく、大型の豪華客船も日々往来している。
-第二次世界大戦中ではドイツ海軍の基地だったキール軍港は連合軍の爆撃機の標的にされていた。
終戦の頃には潜水艦(Uボート)の基地機能はその80%が破壊されてしまった。
-当時の海軍の威容を誇るものが、ドイツ海軍記念館やUボート記念館などに保存展示されている。
-106mの塔がシンボルとなった市庁舎 Rathaus 、聖ニコライ教会 St. Nikolai Kirche などもあるが、やはり港町、船舶博物館など船に関連した施設が観光の中心となる。
-毎年6月最後の週には7日間のキール祭Kieler Wocheが開催され、約50万人の人が動員される。
最大のイベントとして、世界最大のヨットレース「キーラー・ヴォツヘKielerWoche」が開催され、各種競技に4000人以上のヨットマンが参加。観客は6万人が集まる。


アクセス
空港
ハンブルグ国際空港となる。
空港とキール市内中央バスターミナル間は専用バスがほぼ1時間間隔で運行している。

鉄道
ハンブルグ中央駅hamburg Hbf.からキール中央駅Kiel Hbf.行き特急ICEで1時間10分。1時間間隔。

見どころ
市庁舎 Rathaus:
1907年から1911年にかけてつくられた高さ106mの塔がある。
塔の上から旧市街と、入江全体を一望のもとに収めることができる。

ニコライ教会 Nikolaikirche:
巨大な凱旋記念の十字架(1490年)は、一見の価値はある。屋外にはエルンスト・パルラッハのガイストケンプファ一Der Geistkampfer(亡霊と戦う男)像があるが、第三帝国時代に“退廃的な芸術”と見なされ、撤去されたが、後にリューネブルガー・ハイデLdneburg Heathに埋められているのが発見された。

市立博物館Stadtmuseum

シュロスガルテンSchlossgarten:
城の庭園

キール美術館Kunsthalle:
現代アートが中心。
http://www.kunsthalle-kiel.de

船舶博物館 Schiffahrtsmuseum:

ノルトオストゼ一運河 Nord-Ostsee-Kanal(キール運河)
パナマ、スエズとともに3大運河となっており、運河の航行には8時間かかる。
一般にキール運河と呼ばれているこの運河は、ブルンスビュッテルBrunsbuttelからキールまで、北海とパルト海を結ぶ連絡運河。
1895年、ヴィルヘルムニ世臨席のもとに開通式が行われた。
長さ100kmにおよぴ、世界で最も交通量の多い運河で、一年に年間約6万隻4の船舶がここを通る。
しかし通過する貨物量は第3位である。
キールから北に5km言ったところで、運河とパルト海を連絡するホルテナウHoltenauの水門を見ることができる。
運河をまたぐ7つの橋があるが、最も重要なのはレンツプルク鉄道橋、国道204号線(イツェホーエltzehoe−ハイデHeide)のクリューネンタール橋Brdckevon Grunenthalおよぴブルンスビュッテルの北に新しくかけられた橋である。
(運河沿いの主要都市)
-ブルンズビュッテルBrunsbuttel ;
北海側のゲートウエイタウン
世界一長いベンチなどがある。全長526m(運河像、のほぼ中央)
-レンズブルグRendsburg;
最大の都市。人口3万人
-ホリテナウ Holtenauer;
バルト海側にある橋。Holtenauer Bridge.

周辺の見どころ
海軍記念塔 Marine-Ehrenmal:
市内から北20kmの入江に近い海辺のリゾート、ラボーLaboeに立っている。
船の紬先の形をした高さ85mのこの塔は、ドイツの海戦の記念碑として1936年に建造されたもの。
現在では海で命を落とした世界中の船乗りの慰霊碑となっている。
エレベーターか341段ある階段で行ける頂上からは入江全体の眺望がえられる。晴天ならデンマークの海岸まで見える。
塔の脇には、1943年ハンブルクで進水し、第2次世界大戦中ノルウェイ海とバレンツ海で実際に活躍していた潜水艦∪995を見ることができる。
この潜水艦はヴォルフガング・ベーターゼンの第1作目の映画「UボートDas Boot(1981年)に出てくるのと同型のものだ。
キールからは、フェリーか、バス#100番,#101番がある。

ホルシュタイン・スイス Holssteinische Schweiz:
キールから51km、
キールとリューベック湾Lubecker Buchtの間は「ホルシュタイン=スイス」と呼ばれる地域。
最高地点は標高168mのブンクスベルクBurgsberg、氷堆石からなる、樹木に覆われた丘の間に潮力て散在している。
この地域のほぼ中央、最も大きな湖Grosser Ploner SeeのほとりにプレーンPlonの町がある。
その東寄り、作曲家カール・マリア・フォン・ヴェーパーCarl Marla von Weberの故郷オイティーンEutinには、17世紀煉瓦建築の旧センターが残っている。
濠をめぐらせた城館(1723年)の周囲は、湖沿いのイギリス式庭園になっている。

レンツフルク Rendsburg:
キールから西に36km。
アイダー川Eiderを越えてデンマークヘ続く大街道上に位置するため、北ドイツの戦略上の拠点のひとつとされてきた。
16世紀の市役所と13世紀の聖マリア教会を中心に身を寄せあうように家々が集まっている旧市街は、昔はアイダー川の中の島だったところ。
今では、17世紀にこの地を守るために作られた二つの防塞地区に、その両側を囲まれている。
キール運河と旧市街に挟まれた南側のノイヴエルクNeuwerk地区は、中央に広大なパラーデ広場Paradeplatzがあり、そこから放射状に街路刑申びているのが特徴的なところ。
レンツプルクの南側には、鉄道橋Eisenbahnbruckeや、自動車、歩行者用トンネルStrassentunnelがあり、キール運河を渡ることができる。
下に運搬橋を伴う鉄道橋は、高さが水面から42m、運河の下のトンネルは長さ640mで、平行して通っている歩行者用のトンネルには、1278mのエスカレーターや動く歩道がある。