概要
-チューリッヒ湖から流れ出るリマト川Limmatとジール川Sihlとが合流するあたりに位置する。
-スイス最大の商工業都市で、経済、商業、文化の中心的存在であり、スイス連邦の実質的な首都といってよい。
-スイスの中では人口が最も多い都市。
-大都市でありながら、こじんまりとした小都市の魅力も兼ね備えている。
-街に歴史も古く、ローマ時代は重要な拠点として税関がおかれており、旧市街は中世の雰囲気を色濃く残している。
-レーニンやアインシュタインなど多くの著名人も集まった街で、市立美術館やオペラ座、卜一ンハーレ音楽堂や劇場など文化施設や芸術祭などのイベントも多い。

データ
人口
チューリヒ市:人口37万人、スイス最大の都市
チューリヒ州:人口127万5千人366252

標高:408m
総面積:92ku。12の区に分かれている。
言語:ドイツ語(チューリヒの方言が強い)。
気候
安定的な気候で四季の彩りに恵まれている。
夏季:日中平均最高気温22℃
冬季:−2〜3.5℃
チューリヒ湖
長さ28km、最大幅4km、最大水深143m

http://www.zuerich.com

チューリッヒの歴史
-紀元前15年、ローマ帝国が現在のリンデンホーフに「Turicum(トウーリクム)」と名づけた関所を設置。
-中世、市の守護聖人フエー」ツクスとレゲラの聖 遺物を拝むため、重要な巡礼地に。
-10世紀、自由都市としての権利を獲得。
-1336年、ルドルフ・ブルンにより、ギルドが成立・1351年、スイス盟約者同盟に加盟。
-16世紀、ツヴィングリZwingliによる宗教改革。スイス・ドイツ語圏における中心地に。
-1833年、市の城壁が取り壊される。
-1847年、チューリヒ〜バーデン間にスイス初の列車が開通。アルフレツド・エッシャーによるチューリヒ中央駅やゴッタルトトンネルの建設、 クレディ・スイスの創設など。
-1855年、ゴットフリート・ゼンパーがスイス連邦工科大学チューリヒ校Eldgendssischen Polytechnikums(ETH)を建設。

アクセス

空港
チューリヒ国際空港:Zurich International Airport(ZRH)
市内へ:
空港の地下がスイス国鉄の空港駅になっている。市内中央駅まで10分。
空港到着からの手順はこちら

チューリッヒ中央駅
1871年落成の豪華なターミナル式駅舎。
スイス全域を網羅している。市電の停留所も駅横に隣接している。
(近郊への所要時間)
-シャフハウゼンSchaffhausen:約40分
-シュタイン・アム・ラインStain am Rhein:約1時間10分(乗換1回)
-ヴィンタートゥールWintorthur:約25分
-ヴィールWil:約45分
-ザンクトガレンSt.Gallen:約1時間5分
-アッベンツェルAppenzell:約1時間50分(乗換1回)
-ラッパースヴィールRapperwil:約40分
-バーデンBaden:約15分
-レンツプルグLenzburg:約20分
-ツークZug:約25分
-アインジーデルンEinsledeln:約50分(乗換1回)
-シュタンスStans:約1時間30分(乗摸1回)
-インターラーケンlnterlaken:約2時間
-ラインフェルデンRheinfelden:約1時間
-アーラウAarau:約30分
-ソロトゥルンSolothurn:約55分
-ブルグドルフBurgdorf:約1時間10分
-トゥーンThun:約1時間30分
-シュピーツSpiez:約1時間40分
-マイエンフェルトMaienfeld:約1時間10分(乗摸1回)
-クールChur:約1時間15分
-トゥルンTrun:約2時間15分(乗換1回)
-クロスタースKlosters:約1時間50分(乗換1回)
-グアルタGuarda:約2時間20分(乗摸1回)
-シュクオールScuol:約2時間40分(乗換1回)

公共交通機関
市内には市電とバスが運行されている。
-チューリヒカードZurich Card
旅行者には便利なカードだ。
市電、バス、連絡船、ロープウェイが無料。
40を超えるミュージアムが無料。
ガイド付き市内観光ツアーが半額。
域内の観光スポットの入場料が無料または割引。
-チューリヒ湖遊覧船 Zurichsee-Schifffahrten
1時間半のショートクルーズ(エルレンバッハErlenbachとタールヴイールThalwilまで)と半日がかりのロングクルーズ(ラッパースヴイールRapperswllまで)が色とりどりの趣向が用意されてある。

市街地
バーンホーフ通り Bahnhofstrasse(駅前大通り
「フレッシェンクラーベン」(蛙の堀)の跡地につくられた通りで、チューリッヒ中央駅Hauptbahnhofから湖畔までの、町で一番にぎやかな大通り。
菩提樹の美しい並木道には、有名ブティック、時計、宝石店や百貨店が並ぶチューリヒ随一のショッピングストリート。
であり、おそらくはスイス連邦中でも最大のビジネス街である。

リマットケー Limmatquai
リマット川沿いにチューリッヒ湖畔までに商店、レストランやカフェが立ち並ぶ歩行者天国。

ニーダードルフとオーバードルフNiederdorf & Oberdorf
2000年の歴史を刻む旧市街。個性的な店が多く、若者にも人気。

アウグステイーナーガッセ Augustinergasse
レストラン、カフェ、ショップが立ち並ぶ小さな通り。

ミーテン岸壁Mythenquai
チューリッヒ湖はもちろん(ピラトウス山とリギ山などが一望できる。

チューリッヒホルン公園(Zurichhorn Garten).
市街地からウト岸壁Utoquaiの先へ行く。湖畔に広がる緑豊かな公園。
「ル・コルビュジェ・センター」が目印になる。ここからの町の眺望は格別である。
-シップフェ Schipfe
かつての職人街。リマト川に面したチューリヒで最も古い地区のひとつ。

ヴァインフラッツ(Weinplatz)
この広場には、籠を背負ったぶどう作りの像を載せた噴水がある。広場南側からは、リマト川対岸の「フランドル風」屋根の何軒かの古い家、市庁舎のイタリア・ルネッサンス様式の優雅な建物、それに15世紀の礼拝堂ヴァッサーキルヘ、これら全体を2本の高い塔から見下ろす大聖堂などが望まれる。

リンデンホーフ Lindenhofの丘
古代ローマ帝国の関所のあった場所。旧市街を一望できる。
正面にはプレデイガー教会Predigerkirche、右手には大聖堂がそびえている。

チューリヒ・ジールシティ Zurich Sihlcity
旧ジール製紙工場跡に建設きれた南チューリヒの新名所。

チューリヒ西地区 Zurich-West
チューリヒ随一のトレンディースポット。もとは工場だった場所が新たに生まれ変わった。

見どころ
大聖堂(グロスミュンスター)Grossmunster
チューリッヒのシンボル的存在。
最も古い部分は11-13世紀に建てられたもの。ロマネスク様式の回廊や彫刻がみられる。
ファサードを両側から取囲む3層の高い2本の塔の上には、金属板を取りつけた木造の二つのクーポールが載っている。
南塔には、膝に剣をおいて坐るシャルルマーニュ大帝の巨大な像が見られる(原像は地下聖堂にある)。
左側のくぐり門のせり台は、彫刻や柱頭に飾られている。そこを入ると、身廊は尖頭形ボールトになっており、一段高くなった聖歌隊席は平らな後陣へと続き、側廊の上を回廊gがめぐっている。
聖歌隊席と地下聖堂には若干のプレスコ画が跡をとどめている。
近代的なステンドグラス(1932年)はオーギュスト・ジャコメッティ(スイスの画家)作である。

聖母教会(フラウミュンスターFraumunster)
この教会の前身は、シャルルマーニュ大帝の孫ルイ・ル・ジェルマニック(9世紀のゲルマニアの王。ルートヴィッヒニ世と同一人物)が853年に建立した尼僧院が前身の教会。
教会自体は12−15世紀に建てられ、身廊は尖頭形ボールトになっている。
聖歌隊席と両袖廊にはマルク・シャガールの、北袖廊にはジャコメッティのステンドグラスが、アーチ形の二つの階上席は向き合わせに造られていて、この教会の最代の見どころとなっている。
教会の両側面にあるロマネスク様式の修道院Kreuzgangの廃墟には、大修道院創建の伝説を題材とするパウル・ボドマーの壁画(1920〜31)が飾られている。

聖ペーター教会 St.Peter Kirche:
チューリヒ最古の教会。
ヨーロッパ最大の時計塔文字盤(直径8.7m)がある。

スイス国立博物館 Schweizerisches Landesmusuum:
100年の歴史を誇る古城風の建物。
先史時代から現代までスイスの文化や歴史がわかる博物館
--先史コレクション(1,2階)は、最も豊かなものの一つに数えられる。
ローマ時代のものは生活文化と軍事に分類されている。
--1階:
ミュスタイア教会由来の数点のプレスコ画と9世紀の小象牙板2枚。
中世宗教芸術を代表するのは、数々の祭壇画である。そのあるものは絵画であり、あるものは金泥彫刻板である。中でも1200年頃の制作になる一風変わった「エルサレム入城のキリスト」は、どこか稚拙なところはあるが、動きをとらえる腕前は相当なもので見逃せない。
--中2階:
ゴチック時代とルネッサンス期のタピスリー、フレスコ画、美しい家具(テーブル、箱、食器戸棚)の展示。
--2階:
16−17世紀の多くの寝室とそれ以外の部屋が復元されている。
板張りの壁、彩色・彫刻された格天井、食器戸棚、腰掛、タピスリー、ステンドグラス、食器類が室内を豪華に、優雅に演出している。
なお、ドイツ系スイスに特有の装飾様式である「室内ステンドグラス」は、16世紀を通じて大流行を見た。
シャルル・ルブランの下絵をもとに作られたゴブラン織の大タピスリーには、1663年パリでの、ルイ14世とスイスとの同盟更新の様子が描かれている。
16〜19世紀のスイス製時計のコレクションもここにある0武器と甲胃の広間は、尖頭形ボールトの天井で、「マリニャーノの退却」を描いたF・ホドラー作の壁画で飾られている。ここでは13〜18世紀の軍事的生活をつぶさにたどることができる。宗教的ないし世俗的な金銀細工も陳列されており、そのいくつかはチューリッヒのギルドの所有である。
--3階:
諸州の庶民とブルジョワの衣服の非常に豊富なコレクションがあり(18〜19世紀)、興味深い版画と木版画を加えて、スイス全域における衣服の変遷を目の当たりにすることができる。
--地下:
職人仕事のコーナーで(13〜18世紀の鐘)、たくさんの職人の仕事場が復元されている。
-マイセン・ギルド会館 Zunfthaus Zur Meisen:
美しいバロック建築。
ミュンスターホープMunsterhofとリマト川の間。
この同業組合の会館には、スイス国立博物館のスイス製陶磁器を展示.

チューリヒ市美術館 Kunsthaus 
19〜20世紀の近代絵画の展示。
ドイツ、フランスの中世初期の彫刻、15世紀スイスとドイツのルネッサンス前派の絵画もそれに劣らず重要である。
2階に上ると、今世紀初頭のスイス絵画の指導者と目されたフェルディナント・ホドラーの最も代表的な作品、さらに、ヴァロックン、ペッグリン、アンカー、オーベルジョノウ、バロの作品を鑑賞できる。
フランスの画家としては、トゥールーズ=ロートレック、セザンヌ、ルノワール、ドガ、マチス、ユトリロ、レジェ、ブラック、ピカソの絵画があり、展示室の一つはマルク・シャガールの14の作品に捧げられている。
ここに収集されているノルウェイの画家、E.ムンク(1863−1944)の作品は、スカンジナビアに次いで最多を誇る。
-デザイン・エ芸博物館 Museum fur Gestaltung Kunstgewerbewuseum:
図案や広告の展示。
建築、グラフィックアート、インダストリアルデザインといった応用芸術に関する特別展示も開催される。
-聖フェリクス・聖レクラ教会 St.Felix und Regula :
デーチウス(3世紀のローマ皇帝。キリスト教を迫害した)の命によりチューリッヒで斬罪に処されたと伝えられる殉教者の兄と妹、聖フェリクスと聖レクラに奉献されたものという伝説がある。
高い鐘楼は、イタリア式に教会の建物から独立している。
内部が非常に変わっていて、身廊は扁桃形で、そのほとんど湾曲のないボールトは斜めに傾いた柱によって支えられている。
近代的なステンドグラスは、ボールトの高さに取りつけられている。
-チューリッヒ・アルトシュチッテン教会 Zurich Altstetten Kirche :
透かし彫のある四角い高い塔が付属している。内部の身廊は左右対称でない。

住居博物館 Wohnmuseum:
チューリッヒの市街地にあり、大幅に修復された17世紀末の隣接する2軒の家からなっている。
1階から4階まで家具、ストーブ、生活用異ないし装飾品など、17世紀半ばから19世紀半ばにかけての多くの品物が生活の見本として、それぞれの時代に合わせたディスプレイの中に展示されている。
地下室には、この土地出身のある女性人形作家が1920年代に製作した、一連の作品が陳列されている。

リートベルク美術館 Rietberg Museum:
15 Gablerstrasse
湖を望む公園の真ん中の、かつての別荘ヴェーゼンドンクの中にある。
フォン・デア・ハイト男爵の収集した貴重な美術品が収められている。
インド、カンボジア、ジャワ、中国の彫刻、アフリカやオセアニアの彫刻、さらに日本の版画、西アジア、チベット、アメリカ(コロンブスに発見される以前の)の美術作品、乗アジアの絵画、スイスの仮面、フランドルやアルメニアのじゅうたんが興を一段と添えてくれる。

ビュールレ・コレクション美術館 Fondation Collection E.G.Buhrle
172 Zollikerstrasse
郊外南東のこの元の別荘には、実業家エミール・ビュールレが1934〜56年に収集した絵画、彫刻が収蔵されている。
収蔵作品の中核をなすのは印象派の作品
(おもな作品)
マネ:「燕」(1873年、ベルク・シュル・メールでの作)、「庭の片隅」(ベルヴュー、1880年)
ルノワール:「少女イレーヌ」
この絵は画家が印象主義と挟を分かつ直前に描いた肖像画である。
シスレー:「ブージヴァルの夏」をはじめとする3点。
モネ:「ジヴェルニの庭」(1895年)「ヴェトゥイユ近辺のひなげし」(1880年頃)
ウジェーヌ・ブータン:「帆船」(1890年頃)
ピサロ:「ヴェルサイユからルヴシエンヌヘの道」
ドガ:「ルピック伯爵と娘たち」
ゴーギャン:「捧げもの」(1902年)
ファン・ゴッホ:「花咲くマロニエの枝」など7点
セザンヌ:「赤いチョッキの少年」、
印象派以外にも
ドラクロワ:「自画像」
コローの作品、
アンクル:「正装したドヴィエール氏の肖像」
16、17世紀のオランダの巨匠たちの作品として、
E.ド・ウィッテ、サーンレタム、サロモン・ファン・ロイスタール(「レーネの風景」)、ファン・ホーイイェン、フランツ・ハルスも見られる。
16−18世紀のイタリア、スペインの画家の作品として、
カナレツトの「大運河」を描いた2点(これは六つの風景からなる連作〈1738〜42〉の一部である)
F・クアルテイの2点、
ティエポロの「デイアナの水浴」
ゴヤの「バレンシアの聖体行列」など
20世紀のコレクションの中では、
マチスの「静物」
ピカソ、ブラックの数点、グ」ス、モディリアーニ、そしてルオーとスーチーヌの表現主義的作品などもある。。
さまざまな国の宗教彫刻(12−16世紀)もある。

オペラハウス(チューリヒ歌劇場)Opernhaus
1890〜91年のネオバロック建築の劇場.
ヨーロッパで最も初演回数の多いオペラハウス。ハインツ・シュペルリのチューリヒバレエ団。

チューリヒ劇場とシツフパウ Schauspielhaus und Schiffbau
チューリヒ最大の劇場。昔の造船工場から生まれ変わったシツフバウにも別館あり。

チューリッヒ近郊
ユートリベルク Uetliberg
標高874m。
チューリヒ・ゼルナウZurich Selnau駅から電車ユートリベルグバーンで片道25分。
駅前から急坂の山道を登っていくと高台に出る(展望案内盤あり)
さらに167段の展望塔の上まで登れば、周囲のパノラマは隈なく開ける。
チューリヒの街並みと湖が一望のもとに広がり、その先にはアルプスの白い峰が連なる。-エッツマニック総合レジャーセンター Sport-und Freizeitzentrum Atzmannig
チューリヒ近郊の総合レジャーセンターで、家族連れに大人気。

アルパマーレ(チューリヒ湖畔)Atpamaream Zuirichsee
ヨーロッパ最大の屋内ウオーターパーク。
10のスリリングな滑り台の他、わくわくするアトラクションで一杯。ヨード鉱泉、ジャグジー、サウナ、リラクゼーションルームなど、ボディケアのための様々な設備も完備。

ホッホ・イブリツク Hoch-Ybrig
麓から新型の空中ケーブルで、ホツホ・イブリックへ上がる。

アインジーデルン Einsiedeln
「黒い聖母像」で有名なスイス最大のベネディクト会修道院がある。
中世の時代から巡礼路の重要なポイントとして、大勢の巡礼者を集めてきた。
ガイドツアーに参加すれば、今もここで生活する修道士の様子や修道院の歴史を知ることができる。

ツーク Zug
ツークとその周辺は、素晴らしい自然と文化に恵まれた地。
ツーク湖には遊覧船もある。

バールの鍾乳洞 Hollgrotten Baar
ツーク近郊、ロルツェントーベルにある鍾乳洞。

キルヒベルク Kikhborg
チューリッヒから7km。チューリッヒ郊外の高級住宅地。
スイスの詩人・小説家C.F.マイヤー(1825−98)、ドイツの作家トーマス・マン(1875−1955)はこの地で生涯を終え、小さな墓地に眠っている。
かってこの湖岸には、風景画の美しさで定評のある、チューリッヒ焼の磁器製造所が建っていた。

ラインの滝 Rheinfall
シャフハウゼン近郊のラインの滝。
その水量はヨーロッパ随一と言われ、人気の景勝地。
ボートに乗って、滝の中に浮かぶような岩の展望台へ行くこともできる。

バーデン Baden
リマット川が流れる小さな落ち着いた町。
旧市街、温泉、絵画コレクション、カジノと色々な顔を見せている。

(参考資料:スイス政府観光局など)