概要 |
-チューリヒから東へ約1時間。ボーデン湖に近い歴史的な町。 -東スイス地方の中心都市でザンクトカレン州の州都。 -612年、アイルランドの修道僧ガルスが礎を築いた後、息を引きとった故地に、720年に大修道院が建設されたことが街の名の由来となっている。 -ザンクトガレン修道院は中世∃一口ツパで学問的に大きな発展をとげ、その名声は西ヨーロッパ全土に広まった。 現在は修道院としての機能はないが、バロック建築の傑作といわれる大聖堂や教会、美しい広間をもつ図書館、世界最古の建築設計図や約15万冊を誇る貴重な蔵書で世界遺産に認定されている。 -初期にはスイス高原の狭い渓谷にはりつくようにしてまとまっていた町は、その後だんだん境界からはみ出して、近隣のいくつかの丘に上って広がっていった。 現在は丘のあちこちに大きな公共の総合施設が建設されている。 -中世の出窓や飾り看板が残る旧市街がある。 -中世以来、修道院と町の工場で麻織物が盛んだったので、繊維産業が栄えており、遠くスペインやポーランドなどにまで輸出されていた。 後代になると木綿のうすい布地と、繊細な美しさを誇る刺繍が主要製品になり、この地方一帯に広がる高級な織物産業の繁栄を維持した。 現在もサンクト・ガレンはスイスの木綿、および刺繍産業の中心地として知られている。 |
データ |
-人口約75000 -標高:668m -言語:ドイツ語 |
アクセス |
空路 最寄りのチューリッヒ空港から、ターミナル地下の空港駅から約55分。 鉄道: チューリッヒ中央駅から特急・急行で1時間5分。頻繁に出ている。 チューリッヒ空港駅経由するので空港駅からは12分短い。 |
旧市街 |
中世の雰囲気が漂う歩行者専用の小さな通りがつづいている。 かつて城壁に取巻かれていた町の一部につながっていて、ここには16世紀および18世紀のたくさんの民家がまとまっている。 これらの家々は、ときにはファサードを美しく塗ったものもあれば、またしばしば彫刻を施した上に彩色した木製出窓が張出し、錬鉄の看板を下げたものもある。 この時代色の濃い街の中でも、シュピザーガッセSpisergasse、ガルスシュトラーセGalusstrasse(怪獣の家Haus Zum Greif)、シュミートガッセSchmiedgasse(ペリカンの家Haus Zum Pelikan」)、マルクトガッセMarktgasseが特徴ある通りだ。 |
ザンクト・ガレンの見どころ |
大聖堂 Kathedrale: 1755年から68年にかけて、14世紀のゴチック様式の建物の跡地に再建されたバロック様式の建物。 円屋根の2本の塔にはさまれているファサードには「聖母戴冠」のレリーフがある。 内部の装飾は絢爛豪華であるが、同時にみことな均整を保っている。中央のクーポールを飾る青地の「三位」の絵は、画家ヨゼフ・ヴァンネンマッヘルJosef Wannenmacherの作品とされる。 身廊と内陣を飾っているプレスコ画はクリスチャン・ヴェンツィンガーChristian Wenzingerの作品と伝えられる。 大聖堂に隣接するこの修道院には、司教絹、修道院付属の有名な図書館、州行政府、学校が含まれ、全スイスでもっとも重要なバロック様式の総合記念物として、世界文化遺産に登録されている。 修道院付属図書館 Stiftsbibliothek: 1805年に大修道院が民間移譲されたとき、ここだけは昔のままに図書館として使用存続されることに決ったのが幸運であった。 理想的な環境の中に展示されているその貴重なコレクションは約10万冊を数え、そのうちもっとも珍重すべきものは、その大半が中世初期から末期(8〜12世紀)にかけて2000部のザンクト・ガレン写本と150D年以前の印刷本1650部など責重な中世の写本も多い。 図書館ホールは、規模はあまり大きくないが、スイスでもっとも美しいロココ様式の傑作とされている。 1758年から67年にかけて、大聖堂と同時期に建設された、均整のとれたみごとなホールは特に有名。 織物・繊維博物館 Textilmuseum 繊維産業で栄えたザンクトガレンならではの博物館。 ヨーロッパ随一の14〜20世紀各時代のレース、刺繍、タピスリーなど、針仕事のもっとも充実したコレクション. 歴史博物館 Historisches Museum ザンクト・ガレンの歴史および記念物の展示 9世紀の大修道院と、1624年の町並の復元模型、刺繍、タピスリー、地方色豊かな衣装、コイン、磁器。 ほかにザンクト・ガレンの商人たちが収集した、アジア、アフリカ、南米などの民俗学コレクションも展示されている。 -ザンクトガレン美術館: 19〜20世紀の絵画、彫刻を中心に展示 キルヒホツファーハウス: 銀製品、コインのコレクションを展示 セントローレンス教会: 9世紀に始まった街の教会。塔の上からは、街が一望できる リンゼビュール教会: ネオ・ルネサンス建築の美しい教会。 自然博物館: ほ乳穎や鳥類や、恐竜の化石、鉱石などの展示 植物園 Botanischer Garten: 世界中から集めた植物、約7000種類がみられる |
ザンクト・ガレン近郊 |
フロイデンベルク Freudenberg 標高884m。市内から2.5km。 車で頂上まで上がれる。 ここの展望台から北のボーデン湖、そして南のアルプシュタイン山塊(ゼンティス山)、ザンクト・ガレンの町と周辺に起伏する丘などを一望できる。 |