概要 |
-スイス最大規模のヌーシヤテル湖の北端にある。 -湖とショーモンの丘の間にあり、湖岸沿いに4kmに広がっている。 -薄い黄土色の家々が階段状に重なりあうように建っている。 かってアレクサンドル・デュマ(1802〜70)は、まるでバターの塊に刻みこまれているようだと、この町を表現している。 -周辺はぶどう畑に囲まれていて、ワインの集散地としても知られ、毎年9月になるとぶどうの収穫を祝う大行列が練り歩くのが見られる。 -スイス時計産業の重要な一翼を担い、スイス全国の時報はここの天文台から指示される。 -「新しい城」を意味する地名のように、10世紀末に建てられた丘の上にそびえる古城の下に町がつくられていきた。 城に隣接する12世紀建立のコレジアル教会、歴史的な市庁舎や現在はグルメレストランになっている18世紀の優美な邸宅、独特の黄色がかった石で造られた建物が並ぶ旧市街など、今でも随所に中世の面影を感じることができる。 |
データ |
-人口:約3.7万 -標高:440m -言語:フランス語 |
アクセス |
鉄道: ジュネーブ空港駅から急行ICNで1時間20分、ジュネーブ駅からは1時間10分。 ローザンヌからさベルン、チューリッヒ方面行きはヌーシャテル経由でない路線もあるので乗り間違えないように注意。特急ICにはが経由便がない。 |
ヌーシヤテル湖 Le lac de Neuchatel |
全長38km、幅8km スイス領内にある湖としては最大の規模。 多くの魚が棲息する。この湖からビ−ル湖(ピエンヌ湖)やムルテン湖(モラ湖)へと通ずる運河は、ヨット遊びなどに利用されている。 水はさまざまに色を変え、岸辺にはぶどう畑におおわれた美しい丘が連なる。 画家や、アンドレ・ジッド(1869〜1951)を始めとする文人たちは好んでこの地を題材に取りあげている。 |
旧市街 |
-ブザンソンの建築家パリスが設計した古典的建造物である市庁舎(1788年)と、参事会聖堂や城がそびえ立つ間に立並ぶ古い家々や16世紀と17世紀の噴水、城壁の塔などに往時が偲ばれる町並が広がる。 -中心となるのは細長いレ・アール広場 Les Halles (市場広場)。 広場に面して、17世紀の家々と、「レ・アール」と呼ばれるルネッサンス期の家が立並ぶ |
ヌーシャテルの見どころ |
参事会聖堂、城、獄舎の塔 Collegiale.Chateau et tour des Prisonsが隣りあって、ひとかたまりになっている。 参事会聖堂 Collegiale: 12〜13世紀の、釉薬を塗った色彩豊かな瓦屋根の建物で、19世紀に全体的に修復された。後陣はロマネスク様式で、身廊はブルゴーニュのゴチック様式。すぐ隣合って15世紀の修道院がある。 聖堂の内部にはヌーシャテル伯家代々の当主の墓碑(14世紀)があり、14〜15世紀の制作になる14体の多彩色の立像は、中世彫刻のコレクションとして一見の価値あり。 城 Chateau: 15〜16世紀のもので、修復されているが、南西ファサードのロマネスク様式の回廊などに12世紀の面影を若干残している。 中庭は花が咲き、彫刻のある張出し式の小柱廊がめぐらされている。 城壁上の巡警路にも登れ、そこからの町が眺望できる。 獄舎の塔 la tour des Prisons: ここからの眺めもすばらしい。 塔の土台は建物の他の部分よりも時代が古い。 美術・歴史博物館 Musee d'Art et d'Histoire 美術部門と歴史・装飾工芸からなる。 -美術: ポール・ロベールの寓意的な壁画(19世紀)とステンドグラスで飾られた巨大な階段を上っていく。 スイス絵画(とくにヌーシヤテルのもの)を一堂に会した9室の展示場のうち、8室までが19世紀、20世紀の作品を展示しているが、レオポルド・ロベール、フェルディナント・ホドラー(「秋のたそがれ」)、アルベルト・アンカー(「新聞を読むベルンの農民」)、Ch.クリュ一夕ー(グワッシュ画)の作品は常時展示されている。 9番目の部屋には、古い板絵の宗教画が展示され、その中には15世紀末のキリスト礫刑図や、「聖母戴冠couronnement de la Vierge」(16世紀)がある。 -歴史・装飾工芸: 10ほどの展示室に分かれ、家具、室内装飾品、衣装、レース、タピスリー、玩具、家庭生活用具などその多くが、往時の職人の仕事やこのあたりの生活を彷彿とさせる。 ヌーシヤテル製の振子時計、18世紀にジャケ=ドロJaquet-Droz父子が製作したという3つの自動人形automateも置かれている。 民族学博物館 Musee d'Ethnographie 豊かな収蔵物が七つの部屋に展示されている。 各部屋に一つずつテーマがあり、それにふさわしい様式、色調、建築スタイルが選ばれている。テーマの中では、 ファラオ時代のエジプト、アフリカの装身臭、アフリカの彫像、ブータン王国などが展示。 州立考古学博物館 Musee cantonal d'archeologie コタンシェの洞窟(ロシュフォール)とビションの洞窟(ラ・ショー・ド・フォン)で発掘された古い収集品。後期旧石器時代のクロマニヨン原人の成人の頭蓋骨も含まれている。 |
ヌーシャテル周辺の見どころ |
ショーモン Chaumont ヌーシャテルから8km。 ヌーシャテルの中心から3kmのクードルCoudreから出るケーブルカーを利用して12分。 ヌーシャテル・ショーモン上駅(標高1087m)。 展望塔からは、ベルナー・オーバーラントの山々やモン・ブラン山群の広大なパノラマが楽しめる。 オーヴェルニエ Auvernier エヴォールEvole方面に4.5km行くと、ヌーシャテルのぶどう畑特有の小道が続く。 ぶどう作りの村だが高級住宅も並ぶ村。 クラン・リュ通りLa Grand-Rueの周辺では、噴水、15〜18世紀の教会、16−17世紀の瀟洒な城も見える。 コロンビエ Cotombier ヌーシャテルからイヴェルドンYverdon方面に7km。 フードリ Boudry ヌーシャテルからイヴェルドン方面へ10km。 中世の面影を残す小村で、多くの遺品を蔵するマラ(フランス18世紀の革命家)の生家、13−16世紀の伯爵の城があり、城はぶどうとウインの博物館になっている。 |