概要
-レマン湖の南西岸に位置するフランスの山に囲まれた国際都市。
-国際赤十字、国際労働機関ILO、ヨーロッパ原子力
研究機関CERNなどの国際的に重要な機関が本部が恒久的にここに置かれている。
-自由貿易促進を主たる目的として創設された世界貿易機関WTOの本部もここにあり、近年ニュースで度々話題になる。
-ケルト(ガリア)、ローマの時代の要所であった歴史あるところ。
-中世には、カルヴァン(1509−1564)のもたらした宗教改革の中心地として、ヨーロッパの長い歴史の中で重要な役割を果たしてきた。ジュネーブ大学構内には商経改革記念碑もある。
-国連(国際連合)の前身、国際連盟の誕生の地でもあり、当時の建物には国際連合の欧州本部が置かれている。
-1863年アンリ・デュナンが創設した赤十字発祥の地でもある。
-街のシンボルは、レマン湖で高く水を噴き上げるジエツドー(大噴水)。
-個性的な美術館や博物館、史跡などが多い文化的な町です。
-スイスーの公園面積を誇り、文化的にも常に高いレベルを維持している。
-国際機関が集結しているため、世界各国から派遣されてきている職員の数も多く、常時40000人以上となる。
-世界各国からのビジネスマンの数も当然多く、高級ホテルやレストランも数多い。
高級ショッピング街も上品であり、とりわけ市内には高級時計の店が多い。
-周囲をフランスに囲まれていて、街を外れるとすぐにフランスになる。
従来、フランス方面行き旅行者は鉄道駅構内でイミグレーション、税関検査などの手続きをしてから乗車するようになっていたが、EUに加盟していないスイスが、2008年12月にシェンゲン協定加盟国に加わったため、自由に往来することができるようになった。

データ
-人口157406
-標高375m
-言語:フランス語

アクセス
空港
ジュネーブ国際空港 Geneve International Airport (GVA)
空港ターミナル地下にジュネーブ空港駅ホームがあり、ジュネーブ中央駅を経由してスイス各地への直通列車が運行されている。
リムジンバスも市内バスターミナル(駅から5分)まで運行されている。

鉄道
レマン湖の北側だけがスイス領なので、国内へのすべての列車はローザンヌへ向けて運行されている。
フランス方面へはローヌ川沿いに南へ向かっている。
フランス・パリ(リヨン駅)とはTGVが2時間ごとに運行されている。3時間20分。
シャモニ・モンブラン方面にはつながっていない。バスになる。

フランス・アルプスへの直通バス
ジュネーブ空港から直通バス
フランスで冬季オリンピックが行なわれたアルベールビルの周辺には南のグルノーブルまでずっとアルプスの連なる峰峰にスキーリゾートが点在している。
シャモニーだけでなく、こういったスキーリゾートへのアクセスにはパリからTGVでシャンベリーあたりへ直行することもできるが、ジュネーブ空港からスキー場までの直行バスがシーズン中毎日運行されている。
ジュネーブ空港到着ロビーの案内所でバス発着場所を確かめるといい。
行き先としては、以下のスキー場がある
トロワバレー
-クールシュベル Courchevel ,2時間30分
-メリベル  Meribel , 2時間30分
-ヴァル・トランス Val Thorens , 3時間
-ヴァル・ディゼール Val d’Isere , 3時間
-ティーニュ  Tigne, 3時間

市街地
レマン湖がローヌ川となって流れ出すところにある街。
一番湖側に架かる橋がモンブラン橋Pont du Mont-Blancで、ここが中心となる。駅はここから北西へ5分、
南側のたもとに美しい花時計のある英国公園。時計産業の中心地としてのジュネーヴの象徴のように、美しく飾られた約6300の花と精巧なムーブメントがこの町のシンボル的存在。
北西側からジュネーブのすばらしい展望が楽しめる。
レマン湖の彼方に、ヴォワロン、モール、サレーブ等の山々や、晴天の時はモン・ブランが見える。
対岸の突堤には、大噴水Jet d'eau。夏の間、世界一高い145mの高さまで水を噴き上げる。風の強い日や夜などあがらない時もある。
南側が旧市街地。どちらもにぎやかなショッピング街になっている。
散策には旧市街方面と湖畔の2つの方向がお薦め。

旧市街
19世紀に活躍したデュフール将軍の騎馬像の立つヌーヴ広場Place Neuveから出発する。
プロムナード・デ・バスチヨンPromenade des Bastionsに入る。公園内のこの通りは、昔の城壁に沿って、18世紀に作られたもの。右手の、巨大なプラタナスの彼方に、ジュネーヴ大学と図書館がある。大学構内に宗教改革記念碑 Momument de la Refomationが立つ。
ヌーヴ広場の反対側の、サンレジェ通りRue St.Legerの門から、プロムナード・デ・バスチヨンを出る。
左に曲がって橋の下をくぐり、旧市街の中にある一風変わった広場、フール=デュ=フール広場Place du Bourg du Fourに出る。
骨董屋や画廊が数多く軒を並べる広場には、花に満ちた噴水がある。
左手の市庁舎通りRue de l'Hotel de Villeに入り、つづいて右折してラ・タコヌリ広場Place de la Taconnerieを横断する。

湖畔
モン=ブラン橋Pont du Mont-Blancの右岸(北西側)のたもとから出発する。
橋の下流に、船首のようにつき出たJ.J.ルソー島に、ジュネーヴが生んだ偉大な作家ルソーの像が立つ。ジュネーヴ市民が誇る、にぎやかな湖岸通り、モンブラン河岸Ouai du Mont-Blancをたどる。

ジュネーブの見どころ
宗教改革記念碑 Momument de la Refomation
16世紀の城壁を背にした、長さ100mを越える巨大な、しかしことさらに簡素な記念碑。
中央の「暗闇のあとの光明」Post Tenebras Luxというラテン語の銘の下に、4人の改革者、ファレル、カルヴァン、べーズ、ノックスの大きな像がある。
1917年に建てられたこの記念碑は、その他、数々の彫刻やコメントつきの浮彫によって、ヨーロッパにおける宗教改革とその反響の歴史を物語る。
タイル張りの前面に、ベルンの熊とスコットランドのライオンにはさまれて、ジュネーヴの紋章(司教の鍵と皇帝の鷲)が描かれている。

サンピエール大聖堂 Cathedrale St.Pierre:
12、13世紀に建立され、15世紀に一部改築されたため、ロマネスク、ゴシック、グレコローマン様式が混在している。
1536年以後はプロテスタントの教会。
18世紀に、いささか思いがけない新ギリシア様式のファサードが備えられた。
飾り気のない内部は、厳粛な感じを与える。
左側廊のトランセプトのすぐ事前に、カルヴァンの椅子。
右側廊に15世紀の内陣聖職者席。内陣右手の最初の礼拝堂に、アンリ4世とルイ13世時代のフランスで改革派のリーダーだったド・ロアン公の墓。
サン=ピエール礼拝堂は、右側廊の最初の梁間にある。ゴチック後期のフランボウイヤン様式の、優雅なこの礼拝堂は、15世紀初頭ド・ブロニ枢機卿によって建てられ、19世紀に大幅に修復されている。
北塔 Tour Nordからはジュネーヴ、レマン湖、ジュラ、アルプスのパノラマが得られる。

発掘展示館 Site Archeologique
大聖堂の西側ファサードの前から、階段を下りると発掘展示館。
大聖堂の地下にかけわたされた橋を伝って、かってこの場所にあった、いくつかの教会等の遺跡を見学できる。

市庁舎 Hotel de Ville
16、17世紀の建物。
最も古いボーデ塔は1455年の建立。
中庭に入ると、砂利を敷いた奇妙な傾斜路が目を引く。
1階に、アラバマ・ホールSaIle de l'Alabama。この部屋で、1864年8月22日、ジュネーヴ協定すなわち最初の赤十字協定がサインされた。

サン=ジェルマン教会 Eglise St-Germain
4、5世紀のバジリカ聖堂を、14、15世紀に増築したもの。
鐘塔、ファサード、後陣は1959年に一新された。ステンドグラスは現代のもの。
4世紀末の初期祭壇が一部残る。
後陣と並んで、日時計をのせた天蓋付きの噴水がある。

プリュンスヴイツク公の廟 Mausolee du duc de Brunswick
1879年、ヴェローナのスカリジェリ家の墓をモデルとして、ジュネーヴに全財産を寄贈したブリュンスヴイツクのシャルル2世の霊廟が建てられた。
彼は1804年ドイツで生まれ、1873年この地で亡くなった。

モン・ルポ公園、ベルル・デュ・ラック公園、ヴィラ・パルトン公園
Parcs Mon Repos.la PerIe du Lac, Villa 8arton

レマン湖畔(北西側)に位置する連続する3つの公園。

-ラ・グランジュ公園(Parc de la Grange)
レマン湖畔南岸にある。スイスで一番美しいばら園.
開花期の6月半ばには4万本のバラが咲き誇る。)。
この公園に続いて、オー=ヴイーヴ公園parc des Eaux Vives。
7〜8月には、無料のコンサートが開催される
 
パレ・デ・ナシヨン Palais des Nations
内部見学のガイドツアーがある。
平和通りAvenue de la Paix 14番地のプレニ門Portail de Pregnyから入る.
国際連盟本部として1929〜36年、アリアナ公園Parc de l'Arianaに建てられたこの建物には、1946年以来、ニューヨークに本部がある国際連合のヨーロッパ本部が置かれている。
1973年、現代的な新しい翼が増築された。
ここは、世界で最も活発な国際会議の舞台の一つである。
国連加盟諸国から寄贈されたさまざまな大理石に飾られた、パ・ペルデュ・ホールSalle des Pas Perdusを通って、総会の開かれる、2000席の大会議場Salle des Assembleesへ進む。
数々の会議場に面した廊下を伝って、最も重要な会議の催されるサル・デュ・コンセーユSalle du conseilに至る。
スペインの画家、ホセ・マリア・セールによる、人類の技術、社会、科学の進歩を描いた大壁画がこの会議場を飾る。
テラスから、市街、レマン湖、モン・ブラン山脈のすばらしい眺望できる。

プラス・デ・ナシヨン Place des Nations
アリアナ公園とさまざまな国際機関や銀行の新しい建物に囲まれた、大きな広場。
なかでも、世界知的財産機構OMPIの、凹面状の青みを帯びたガラス張りの、タワービルが目を引く.
ビルの前を幅広の滝が落下している。滝を飾るブロンズのニンフは、フィレンツェのネプチューンの噴水のコピー。

国際赤十字博物館:
ジュネーブ生まれのアンリ・デュナンによって創設された国際赤十字委員会。
赤十字(赤新月)の活動を映像などで紹介

ジャン・ジャック・ルソーの生家
旧市街のクラン・リュ40番地にある

時計博物館 Musee de l'Horlogerie:
古代から現代に至る時計の歴史を展示。
15-18世紀の砂時計、日時計、懐中時計、大時計、19〜20世紀の、音楽自動人形装置を備えたエナメル引きの時計。1830−70の宝飾時計などのコレクション
時計製作・修理工房も再現されている。

-美術・歴史博物館 Musee d'Art et d'Histoire:
荘厳な建物(7000u)に先史時代から現代に至る考古学の歴史と美術を展示。
1階が考古学部門、2階が絵画部門となっている。
そのほか、古銭展示室には、古代の重量貨幣やさまざまな貨幣の大規模なコレクション。歴史関係では、ローカルな15〜18世紀の家具、中世のステンドグラス、12〜19世紀の武器や甲胃。18世紀の家具を備えた、復元された城内のいくつかの部屋がある。
考古学部門
先史時代(ローカルな出土品)、エジプト、メソポタミア、ギリシア、ローマ、ビザンチン。壷と彫刻のコレクション。
絵画部門
ルネサンスから現代までの重要な巨匠の作品がそろっている

プチ・パレ/近代美術館 Petit Palais/Musee d'Art Moderne
19世紀の館に、1880-1930年のフランスおよびヨーロッパ絵画(印象派からシュールレアリスム)、それ以後の抽象絵画を展示。

ボール・コレクション Collection Baur
19世紀の館に設けられた、東アジアの芸術品を展示する美術館。
中国の陶器、石細工、青磁、翡翠(ひすい)細工。江戸時代・明治時代の日本の工芸品、刀とその装飾品、18世紀の陶器、漆器、根付けなど。

アリアナ博物館 Musee Ariana 
陶磁器専門の博物館。
マイセンやセーヴルの磁器。中国の陶磁器(とくに「東インド会社」のもの)。17、18世紀に大いに模倣された有名なデルフトの陶器。スイスの陶磁器。

ヴォルテール協会と博物館 Institut et musee Voltaine
ヴォルテールが、1755年から65年にかけて、ほぼ継続して住んだ「レ・デリースLes Delices」荘に設けられている。
ヴォルテールとその時代の研究機関である協会は、膨大な量の書簡集を刊行し、また図書館を持つ。
サロンと回廊に家具、草稿、稀視書、肖像画等を展示。

古楽器博物館 Musee d'Instruments ancions de musique 
大部分がヨーロッパの、16−19世紀の楽器の豊富なコレクション。
管楽器、弦楽器、打楽器、鍵盤楽器等、楽器の説明にはそれぞれ実際の音を伴うのがこの博物館の特徴。

聖ポール教会 Eglise St-Paul
現代の宗教芸術、ことに1915年以来教会の内部装飾に大きな役割を果たしたモーリス・ドニが後陣に、トリブティックの形態で聖パウロの生涯を描いた壁画。身廊の14枚のステンドグラスを残している。

(参考資料:スイス政府観光局など)