概要
ルツェルンLuzernから南下するアンデルマットAndermattを経由して東へ約80km。
-ルクマニエ峠とオーバーアルプ峠への入口にあたる交通の要所で温泉地でもある。
-広い高台の町から、西のオーバーアルプ峠からのタヴェッチュ・ライン川と、南のルコマーニョ峠からのメデル・ライン川の合流点が見晴らせる。
-ロマンシュ語の地名が修道院を意味しているように、8世紀に創設されたヘネデイクト派修道院を中心に栄えた文化、歴史、学問の町。
-17世紀に建てられた壮麗な修道院と教会は、北アルプスを代表するバロック建築の傑作といわれている。
-周辺には魅力ある村や谷が点在する。

データ
-人口:約2500
-標高:1133m
-言語:ロマンシュ語


アクセス
鉄道
チューリッヒ中央駅からクールChur方面行きでクールへ。
IC,IRとのほぼ同じで1時間20分。30分ごと。
クールから私鉄レーティッシュ登山鉄道 Rhatisch Bahn(RhB)で約1時間15分。
氷河急行(グレーシャーエキスプレス)のルートで、ディーゼンティス Disentisには、停車する。

見どころ
大修道院 Abbei
スイスにおけるベネディクト会最古の施設の一つ(8世紀)。
修道士により教育機関として用いられている建物は、一部力て17世紀、他は19世紀、20世紀。
ロマンシュ語でムスターと呼ばれ、町名の一つともなった大修道院は、高地牧草地の長い斜面に建っている。
大修道院は1799年、フランス軍による火災にあったが、ボールトのスタッコ装飾と絵は今世紀初頭修復された。

修道院教会 Klosterkirche
球形ドームの鐘楼が両脇にそびえる、バロック様式の大きな教会(1695〜1712)。
内部はたいへん明るく、階上席が巧妙に配置されている。
バロックの間接照明方式により、下の身廊からは、2列の窓は見えない。

近郊の見どころ
イーランツIlanz
ディーゼンティス Disentisから東へ30km。
人口約2300。
ディーゼンティスがどちらかといえば宗教的な中心地であったのに対し、1395年に誕生した灰色同盟の政治的首都。
グラウビュンデン・オーバーラントで、公的に「都市」と称されるのは唯一このイーランツだけ。
周辺ライン川の橋を渡り、ヴァルスValsもしくはヴリンVirin方面への道筋の村には、バロック様式で装飾された、17世紀の領主の館がいくつかあるが、なかでも、隅の小塔、窓格子、繊細な彫刻を施した扉枠などを備えた「カーサ・グロンタCasa Gronda」(黒と黄のよろい戸)が見事だ。