概要
-スイス最古の町といわれる約5000年の歴史を誇るグラウビュンデン州の州都。
-ケルトの集落からローマの統治を経て、その後は司教領として栄えてきた。
-ラインの谷のラテン文明とゲルマン文明の交差点に位置する
-町はライン川から少し離れ、プレスール川の支流によってできた扇状地の上にある。
-12-13世紀に建てられたカテドラル(大聖堂)を中心に、15世紀に再建された教会やビュンドナー美術館など、豊かな文化遺産や史跡が点在している。
-町の東、アローザシュトラーセArosastrasseを進むと。鐘塔が並び立つクールの町と、背後の雪におおわれたカランタ山Calandaの岩峰が眺められる。

データ
-人口:約35000
-標高:585m
-言語:ドイツ語


アクセス
鉄道
チューリッホ中央駅から特急ICサンモリッツ行きで1時間25分、1時間ごと。
急行IRは1時間30分、1時間ごと。

旧市街
城壁に囲まれた旧市街は自動車の入れない歩行者天国。
階段伝いに古い門ホープトーアをくぐると、旧市街に出る。
大聖堂と司教館(クールには司教座がおかれている)の麓の、ザンクト・マルティン教会のまわり一帯が旧市街。
旧市街の中心はポスト広場、
駅前からのメインストリート、バーンホフ通りBahnhofstrasseを直進すると広場に出てくる。
小塔を備えた美しい家が並ぶ狭い通りや、花とクラウビュンデン州の紋章に飾られた噴水がある中世の雰囲気をとどめる広場、15世紀の市庁舎などがある。
5〜10月の毎土曜日に伝統の市場が開かれる。

クールの見どころ
主な見どころは旧市街の中にある。
駅前から歩道に赤と緑の足跡のマークがある。
旧市街を散策するための案内コース。
「赤の道」は東側一帯。「緑に道」は西側一帯。2つのルートを歩くと主な見どころは一通り見学できてしまう。

聖母マリア大聖堂 Kathedrale: 
12〜13世紀建立の大聖堂は、ロマネスク様式とゴチック様式が混在している。
外部は、1811年の火災の後改修された。
球形ドームの鐘塔、彩色を施したアーチ形曲線を持つポーチがある。
身廊部分と内陣部分が少し折れ曲って接続しているため、大聖堂はやや不規則な形をしている。
強化交差ボールトの主身廊は、わずかに右側の天窓が開いているだけで、とても暗い。
一段と高い内陣の主祭壇に、黄金色の板に彫られた15世紀の実に見事なトリプテイカ(3達祭壇画)。
聖母マリアに奉献されたこのトリプテイカは、スイス最大のゴチック様式のもの。
内陣の下の祭壇を、13世紀の4人の使徒像が取囲む。
カロリンク王朝や中世の聖遺物箱。たいへん貴重な胸像型の聖遺物箱がある。
大聖堂の傍らに、18世紀の優雅な司教館が立つ。

レーテイシュ博物館 Ratisches Museum 
17世紀末のブオルBuoIの館に設けられている。
クラウビュンデン地方の先史時代、歴史時代、民俗関係のコレクションがある。

州立美術館 Bundner Kunstmuseum 
主として、18−20世紀のクラウビュンデン州出身、もしくは同州に居住した画家、彫刻家の作品を展示する。
パルテルミイ・メン、アンジェリカ・カウフマン、ジョヴァンニ・セガンティーニ。
現代ではとくにジョヴァンニ、アウクスト、アルベルト・ジャコメッティ、E.L.キルヒナーなど。


(参考資料:スイス政府観光局など)