概要
*ザルツブルグの南約80km、ツェル・アム・ゼーZell am Seeのすぐ南約7km、グロースクロックナー街道のふもとにある穏やかな町。
*ここは1938年から1951年にカブルーン渓谷の上流に発電所が建設されてダム湖ができて観光地としての整備が始まって発展した。
1965年にキッツシュタインホルン山腹のシュミーデイング氷河Schmieding-Gletscherが整備されてからは、一年を通じてスキーが楽しめるようになり、カブルーンが次第に夏スキーのメッカとして、ヨーロッパにその名を知られるようになった。
*町には18ホールのゴルフ場やプールなど多くのレジャー施設ができ、ツェル・アム・ゼーへの交通の便も良くなって、この二つの町はヨーロッパ・スポーツ地域Europa-Sportregionと呼ばれ、大規模なスポーツ・リゾートとなっている。
*何よりここを有名にしたのは、ケーブルカーによる大量死亡事故である。
2000年11月11日、キッツシュタインホルン(w:Kitzsteinhorn)のスキー場に行く
ケーブルカー「Gletscherbahn 2」がトンネル内でおきた火災事故を起こし,日本人10人含む155人が死亡、わずか12人が生存となった。
このケーブルカーの路線距離は3900mあり、そのうち3300mがトンネル部分であった。
事故後はこのケーブルカーの運行は再開されず、駅やトンネルは閉鎖され現在も使われていない。
24人乗りのケーブルカー「Gletscherjet 1」だけが運行されている。
その後、2004年2月19日にオーストリア・リンツ高裁は、火事を招いたという容疑の証明が不十分として、当時の運行会社の役員、技術担当者、政府検査官ら16人に対して無罪を言い渡した。
これが国の内外で大きな非難を浴びることになっており、今でも遺族は納得がいかないと主張している。

データ
人口:約3000
標高:786m

アクセス
鉄道
最寄駅ツェル・アム・ゼーZell am Seeはウイーンとインスブルック方面の幹線ルート上にあり、ザルツブルグから急行REXで1時間40分。普通で2時間。
ツェル・アム・ゼーZell am Seeからはバスもあるが、荷物があればタクシーがおすすめ。

キッツシュタインホルン Kitzsteinholn :
年間を通してスキー場がオープンしている。
アクセスは
ロープウエイGletscherjet 1と地下ケーブルGletscherbahn 2があったが、2000年11月11日、地下ケーブルGletscherbahn 2のトンなる内火災による日本人10人含む155名の死亡事故を起こしたため、閉鎖され、現在は24人乗りの、ロープウエイGletscherjet 1となっている。
冬にはスキー場の入口となるランクヴイートLangwied(2000m)で乗換えてさらにリフトでアルペンセンター駅Alpencenter(2452m、レストランあり)へ。
さらにロープウェイが山頂下の標高3029mまで行く。
山頂は3203mで徒歩でのみ登山可。
山頂駅の2階から、グロースヴェネーディガーが展望できる。
左右にはグラナートシュビッツェとシュトゥーバッハ−・ゾンブリックStubacher Sonnblick、ツィラータールの山々、キヅツビューエル・アルプス、ツェル・アム・ゼーと湖、そしてヴィルターカイザーからホーホケーニヒにいたる連山が見られる。
山頂駅の下に降りて長さ360mのトンネルをくぐると展望台「グロックナークランツルGlocknerkranzl」に出る。ベーレンコプフ、ホーエ・リッフェルに囲まれたグロースクロックナーが眺められる。
-キッツシュタインホルンのスキー場:
標高2000〜3000mで年間を通して滑降可能。
リフト15本、コース35km、
ゲレンデは初級者向けが多い。

ダム湖巡り:
カブルーン渓谷Kaprunertalにはいくつもダム湖があり、バスとケーブルカーなどで見て回ることができる。夏季4ヵ月間。
ふもとのレルヒヴァントLarchwandのケーブルカー駅までバスで行く。
ケーブル力ーの山頂駅からはリムベルク・ダムLimbergsperre、背後にはヴィースバッハホルン、ベーレンコプフ、クロッケリンが見える。
リムベルク・ダムは高さ120m、堤頂の長さ357m、海抜1672mにあり、山側のモーザーボーデン湖の水をダムの反対側、ヴァッサーファルポーデン湖Stauseewasserfallbodenに放水している。
バスでモーザーボーデン街道を走り、1700mのトンネルをくぐるとモーザー・ダム(標高2036m)に着く。
パステルツェ氷河の雪解け水とライターバッハLeiterbachの水をグロースクロックナーのふもとで集め、長さ約12kmの地下水道でモーザーボーデンまで引いている。