ケルクアン Kerkouane
概要
ボン岬の先端部分にあったフェニキア人が建設した町の遺構。
紀元前4世紀から紀元前3世紀頃のものと推定される。
フェニキア人の町はポエニ戦争などで破壊された後、通常はその上にローマ帝国の都市が建てられてしまうので、カルタゴが隆盛した時代の姿は残されていない。しかし、この町はローマに征服された後に放置されたので、カルタゴ時代の遺跡のみが存在する大変貴重な例になっている。
「ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡」として世界遺産に登録されている。
遺跡の中央には神殿と聖職者の住居跡がある。その手前にある区画には工房が設けられていて、陶器やガラス細工などが製造された。
この町では紫貝による染色も重要な産業だったと言われる。奥の海岸近くには扇状に住宅跡が連なっている。kj